2015年8月21日、デンマークのオーデンセで開催された12th International Family Nursing Conference(International Family Nursing Association主催)において、Innovative Contribution to Family Nursing Awardの受賞式がとりおこなわれ、保健学研究科看護学領域の法橋尚宏教授(看護学領域長)が受賞しました。

International Family Nursing Conferenceは、1988年に第1回が開催され、3年もしくは2年おきにさまざまな国で開催されてきました。これが基盤となって、2009年に家族看護学の国際的学会としてInternational Family Nursing Associationが創設されました。今回の12th International Family Nursing Conferenceから受賞(アウォード)制度が設立され、その第一号の受賞となりました。

法橋教授の家族看護学に関する研究は、国内誌である『家族看護学研究』には15本の論文、ハイレベルな国際誌である『Journal of Family Nursing』には3本の論文を掲載しており、日本人の中でも掲載数が圧倒的に多く、家族看護学研究を牽引してきました。教育に関しては、2010年に神戸大学大学院博士課程前期課程において、特別な教育コースである家族支援CNS(専門看護師)コースをいち早く開設しています。なお、International Family Nursing Associationにおいては、設立時の2009年から2014年まで、理事を務めました。

法橋教授の家族看護学における最大の貢献は、15年以上の歳月をかけて開発した家族看護中範囲理論であるConcentric Sphere Family Environment Theory(CSFET)の提唱にあります。CSFETに基づいた家族アセスメントモデルと家族インターベンションモデルを開発し、世界中の臨床で使用されています。また、これらのモデルで使用するツールを多数開発し、その解説書も日本語や英語で複数出版し、世界中でその有効性が実証されています。家族看護学の黎明期からパイオニアとして世界中で活躍しており、このような業績が高く評価され、今回の受賞となりました。

なお、これらの成果は、JSPS科研費18390585、21390591、24390498、15H05084などの助成を受けたものです。

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