この度、神戸大学大学院医学研究科では、昭和24年に兵庫県立医学専門学校(兵庫県立医科大学を経て神戸大学に移管)を卒業された坂上明(さかがみ あきら)様からのご寄附をもとに、幹細胞研究等のための研究機器の購入、並びに教育支援のための施設改修を行いました。

また、この多大なるご支援に対して、機器及び改修した研究室に、銘板を設置いたしました。

日本では寄附に基づいて教育研究を支援する文化が根付いているとはまだまだ言える状況ではありませんが、米国では寄附により大学の施設、機器が発展していくことは日常的な事で、その事が米国の世界トップレベルの基礎研究を支えています。研究力の低下が指摘される我が国の大学においても、今回のような寄附文化が基礎研究、そして文化としての学問を支えていくことを期待したいと思います。

概要

  • 坂上明(さかがみ あきら)様は、昭和24年に兵庫県立医学専門学校(兵庫県立医科大学を経て神戸大学に移管)の卒業生で、これまでにも本学に多額のご寄附をいただいています。
  • 医学研究科にいただいたご寄附については、坂上様のご意向を踏まえ、幹細胞研究を含んだ研究ならびに教育への支援に有効に使用させていただくこととしています。

トピックス

(1) 高額研究機器「細胞外フラックスアナライザー」の購入

この装置は、解糖、ミトコンドリアによる好気呼吸の状態を細胞に対して無侵襲?高感度に経時的計測することが可能で、がん、免疫学、糖尿病、肥満、神経変性疾患、循環器疾患等に新たな洞察をもたらすことが期待されます。

この機器を多くの研究者?学生が有効利用できるよう、学部内の共同研究施設に設置しました。また、機器のそばには坂上様にいただいたご寄附により購入した機器であることを記した銘板も設置しています。


細胞外フラックスアナライザー
共同研究施設機器室に設置しました。
機器の後ろに、坂上先生からのご寄附により購入した旨を和文と英文で記載しています。

(2) 第4実習室の改修

学生が実習に使用する第4実習室は老朽化が進んでいましたが、坂上様からのご寄附等を活用し、実験台の改修や室のデジタル(DX)化を進め、このほど竣工しました。今後は学生による実習以外にも学内外の研究者がオープンラボとして広く利用することが期待されています。この実習室にも、坂上様のお名前を付し「坂上明研究室」との銘板を入口に取り付けています。


第4実習室改修1
入口に坂上先生のお名前を冠した室名の銘板を付しています。


第4実習室改修2
実験台の改修にもご寄附を使用させていただきました。

(医学部研究支援課)