2022年11月30日、神戸大学百年記念館 六甲ホールにおいて、科学技術イノベーション研究科 年次定例シンポジウム『バイオものづくり 神戸大学の挑戦』を開催しました。同時にオンラインによるLive配信も行われ、会場では57名、オンラインでは190名が参加しました。
はじめに、藤澤正人学長による開会挨拶があり、続いて永田真研究科長の挨拶及び研究科の最新動向の紹介からシンポジウムは始まりました。
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第一部では、異分野共創の事例紹介が行われました。先ず、科学技術イノベーション研究科博士前期課程2年の中田渚生さんからデジタルとバイオの融合として「DNA最適配列自動設計システムの開発」という題目でシステム情報学研究科太田研究室とバイオベンチャーの株式会社シンプロジェンの取組みについて紹介が行われました。次に、当研究科の中川敬三准教授から膜工学とバイオの融合として「正浸透膜の選択透過性制御によるバイオエタノール生産の効率化」という題目で、科学技術イノベーション研究科、先端膜工学研究センター及び先端バイオ工学研究センターの取組みについて紹介が行われました。
第二部の前半では、産業バイオの事例として、当研究科発バイオベンチャーの株式会社バッカス?バイオイノベーション取締役(当研究科?教授)の近藤昭彦教授から、バイオファウンドリをキーワードに、世界のバイオエコノミーの潮流とその中での同社の取組みについて紹介がありました。続いて、医療バイオの事例として、同じく当研究科発バイオベンチャーの株式会社シンプロジェン取締役CTOの山田尚之氏から、DNA合成技術、遺伝子治療をキーワードに、医療バイオ分野における同社及び日本の関連企業のキャッチアップ戦略について紹介がありました。
第二部後半のパネルディスカッションでは、登壇者として藤澤学長、先端バイオ工学研究センター長の蓮沼誠久教授のほか、第三者的立場からの客観的な分析を専門とされる気鋭のアナリスト等3名を金融界及び会計監査業界から迎え、冒頭で当研究科山本一彦教授が行ったオリエンテーションを踏まえて、日本の「バイオものづくり」の成功戦略について、半導体業界が辿った道筋なども交えながら、活発な意見交換が行われました。
時間はあっという間に経過し、最後に、当研究科副研究科長の白川利朗教授の閉会の挨拶をもって、盛況のうちにシンポジウムの幕を閉じました。参加者からは「神戸大学の立ち位置がよくわかった」、「バイオ分野について最近の動向を知ることができてとてもよかった」等の意見を頂きました。
(科学技術イノベーション研究科)