12月3日~4日、神戸大学ユネスコチェア「ジェンダー、脆弱性、ウェルビーングを中心に据えた減災対策」教育プログラムを実施しました。必威体育の規制が続いている中、今回は三回目のオンライン国際会議となりました。
ユネスコチェア教育プログラムの内容や進め方は、月に一度のペースで連携校との打ち合わせで議論し、決定しました。高校生として、あるいは大学生としてこの必威体育パンデミックを生きてきた若者にその体験を振り返ってもらい、学びをより安全安心で平和な世界づくりに生かしてもらいたいというのが共通の思いでした。今年のテーマを「Living in a post- COVID world: the safe world we want to create」(コロナ後の世界に生きて~私たちが創造したい安全な世界~)に決定しました。メーファルアン大学(タイ)から14名、高雄科技大学(台湾)から6名、トゥンク?アブドゥル?ラーマン大学(マレーシア)から5名、ガジャマダ大学(インドネシア)から2名、そして神戸大学から4名、計31名の学生と教員を含む約50名が参加しました。特筆すべきは、本プログラムに以前参加した学生(現在は院生)がファシリテーターとして参画したことです。インドネシア(1名)、台湾(2名)、日本(3名)の院生がグループに入り、短い時間により深い考察とより楽しい交流を促すことができました。ジェンダー、ウェルビーングと災害に関心を持っている学生が少しずつ育ってきていることは主催者側としてとてもうれしいことです。
本会議は、チェアホルダーのアレキサンダー ロニー氏の挨拶で始まりました。同氏は、「創造したい世界」を考えるためには、どこから来たのか、今はどこにいるのかを考える必要があると指摘したうえで、ジェンダー、脆弱性、ウェルビーングに関するグローバルな課題を提示しました。その後、各大学の学生が、それぞれの国の現状や課題について報告しました。テーマとして、教育(オンライン?ラーニング)が目立ちましたが、それぞれの国の状況が異なるということがよくわかりました。
各大学のプレゼンテーションの後、各国の学生で構成される6つのグループに分かれました。課題を与えられ(以下画像)、二日目の午後に10分間の発表を行いました。「創造したい安全安心な世界」という大きなテーマのもと、特に、各国における公平?公正、すべてのジェンダーの人々の平等や脆弱性を持つ人々に焦点を合わせウェルビーングを考える、という課題が出されました。各グループの発表したテーマは、教育、メンタルヘルス、ジェンダー、移民やホームレスの問題、LGBTQI+やマイノリティの人権、AIなど多岐にわたり、どれも非常に興味深いものでした。最後に記念撮影をし、今年度の教育プログラムが無事終了しました。
学生からは、「日本の差別に対する意識や考え方が非常に低いレベルであることを痛感した。」(日本から参加した学生)や、「いろいろな国の人と知り合い、その国々の文化についての理解を深め、それぞれの国のジェンダー平等やコロナについての考えを学ぶことができた。」(台湾から参加した学生)との感想が寄せられました。
来年は、一部の学生が対面で深い学びができるプログラムに戻るか、それともそれぞれの国からたくさんの学生が参加でき交流できるオンラインプログラムにするか、連携校の先生方と相談しながら決めていきたいと思います。来年度の始めに募集案内を配布しますので、周りの学生にぜひ勧めて頂ければと思います。
(ICHCセンター ジェンダー平等推進部門)