阪神?淡路大震災(兵庫県南部地震)から28年を迎えた2023年1月17日、神戸大学は犠牲となった学生や職員を追悼する震災慰霊献花式を、六甲台第1キャンパス本館前(神戸市灘区六甲台町)と深江キャンパス(神戸市東灘区深江浜)の2カ所で行いました。六甲台本館前では、藤澤正人学長や遺族らが慰霊碑に献花し、コロナ禍で3年ぶりに出席したという遺族は「やっと会えたね」と、手を合わせていました。
神戸大学では、学生39人(留学生7人)と職員2人の計41人が震災で犠牲になりました。また、当時の神戸商船大学(現海洋政策科学部)では学生5人(留学生1人)と研究員1人の計6人が亡くなりました。
六甲台の慰霊碑前では、午後0時半から参加者が1分間、黙とうした後、藤澤学長ら大学関係者や遺族らが次々に献花しました。当時、経営学部2年生だった戸梶道夫さんの両親、幸夫さん(75)と栄子さん(73)=大阪府和泉市=は毎年欠かさず、慰霊式に参加しています。栄子さんは銘板に刻まれた名前をなでながら、「元気で頑張っているよ」と道夫さんに話しかけました。また、当時、経営学部3年生だった中村公治さんの母親、中村房江さん(77)=愛知県豊明市=は、「コロナでなかなか来られず、やっと会えたねと声をかけました」。
今年は10数人の遺族が集まり、久しぶりに会ったという遺族同士が互いの近況を報告し合っていました。しかし、震災から28年がたち遺族も高齢化して、遠方から足を運ぶのが難しくなってきています。遺族の1人は「だんだん参加者も減ってきて、寂しくなりました」としみじみと語りました。
慰霊式には学生の姿もありました。友人と2人で献花に訪れた女子学生は「神戸大の情報を発信する学生団体のSNSで、学生が犠牲になったことを知り、悲しい気持ちになった。調べてみたら私がいま住んでいる場所も被災していたので、同じ状況が起こりうることを胸に刻み、震災を忘れないようにしたい」と、しのんでいました。
海洋政策科学部でも午後0時半から、神戸商船大学犠牲者慰霊碑前で慰霊献花式が行われ、阿部晃久海事科学研究科長らが献花しました。
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(総務部広報課)