2023年3月30日に、公益財団法人講道館館長の 上村 春樹 氏が神戸大学六甲台道場(艱貞堂)を訪れ、道場を視察されるとともに、本学柔道部員に対して直接指導をしていただきました。

上村 春樹
柔道家で、現在は公益財団法人講道館の館長。1976年のモントリオールオリンピックの柔道無差別級金メダリスト。

今回の訪問は、3月に神戸で行われた学生柔道大会において、本学柔道部後援会の嶋田良円会長が講道館企画室の仮屋氏とお会いする機会があり、その際に講道館と調整して実現したものです。上村氏は柔道の発展普及のため、諸外国をはじめ各地の道場を訪問されており、その一つとして本学にお越しいただくという大変名誉な機会となりました。

当日、上村氏は到着後すぐに柔道着に着替えて道場内に入られ、道場並びに学生の練習を視察された後、部員全員に直接指導をしていただきました。打ち込み(相手を投げるまでの過程の動作を繰り返す練習)を行う際には、自分の力を最大限に発揮するため、また、相手を崩すために重心を意識して技をかけること。それを意識してスピードを上げずにゆっくり正確に行うこと。そして、繰り返し何度も行うことと、日々の地道な稽古が大切であることを、熱心にご指導いただきました。

また、相手と対戦する際には、攻撃よりもまず防御が大切であることも教えていただきました。防御においても、相手の重心を崩すことで仕掛けを防げることができ、「打ち込み」と「防御」の両方を鍛錬するにあたっては、常日頃から「重心」の捉え方を意識した稽古を行うことが大切であるということがわかりました。

およそ30分にいたる指導を受けた後、上村氏から記念の色紙で「尽己竢成」というメッセージをいただきました。これに対して柔道部員は、今夏に東京の講道館で行われる全国国立大学柔道優勝大会において、部員一人一人が力をつけた姿をお見せすることを約束しました。

【尽己竢成(おのれをつくしてなるをまつ)】(講道館ホームページより
大意: 自分の全精力を尽くして努力した上で、成功?成就を期待すべきである。
力を尽くし切っていないのに失敗を運のせいにしてはいけない。幸運 を望む前に、まず自分の力を尽くせ。また、失敗した不運を嘆いて努力を止めてはならない。さらに勤勉と辛抱を怠らず、成就を待て。
成功者は、努力の限りを尽くした結果、自身の運命を拓き得たのである。

(総務部広報課)