神戸大学はKU LeuvenがEUから採択され2019年に開始したジャンモネネットワークETEEプログラムにベルギー、オランダ、ブラジル、アメリカ、シンガポール、韓国、インドに所在する7つの協定校とともに参加しています。本プログラムは大陸を越えた現在、過去の結びつきに注目しながら、現今の世界におけるヨーロッパの位置づけと役割についての理解および教育を深めることを目的としています。プログラムの一環として、本学は下記のとおりアウトリーチイベントを2023年4 月24日と同月28日に実施しました。

4月24日のアウトリーチイベントでは、ベルギー?ルーヴァン大学(UCL)から若手研究者のPierre André氏(Post Doctoral Fellow, FNRS, Hoover Chair for Economic and Social Ethics, UC Louvain)が“Climate Justice Issues in the EU: an Introduction”と題する公開講座を行いました。地球温暖化との関連で二酸化炭素排出量を抑制するための世界的合意形成過程において、国際政治や経済の分野で行われる議論を紹介し、その中でEUが担う役割とその影響力について講義と質疑応答を行いました。留学生を含む神戸大学の学生22名が参加し、オンラインでも配信を行いました。

4月28日には、同Pierre André氏による、研究者向けの公開講演 "Climate Change, Cultural Devastation, and Compensation” を対面およびオンラインで行いました。二酸化炭素排出による地球温暖化の直接的な被害を受ける国々や、水没の危機に直面する国や地域にとって、文化遺産や生態系の破壊といった大きな損害に対し事後的、あるいは予備的な損害の補償の問題が生じること、それらの補償について論じられるべき側面を、2022年に国連人権委員会によって認められた損害事例を参照しつつ紹介されました。質疑応答では講演に参加した研究者との活発な意見交換が行われました。当日は神戸大学大学院法学研究科内で6名の研究者が対面で参加したほか、6名がオンラインで参加しました。なお、同公開講演はJSPS科研費22H00042「少子高齢化社会福祉システムの多文化化、スマート化、ナッジ化に関する国際比較研究」との共催で行われました。今後もETEEプログラムを通じて、ヨーロッパをより深く知るための機会を積極的に提供していきます。

(学務部学際教育課)