今年度教養教育院にて新たに開講した高度教養科目「複言語共修セミナー:外国語としての日本語」(主担当:村山かなえ異分野共創型教育開発センター特命講師?副担当黒田千晴グローバル教育センター准教授)において、チュラロンコン大学文学部東洋言語学科ユッパワン?ソーピットヴッティウォン文学部准教授の協力を得て国際共同授業を実施しました。
当該授業科目は、多文化理解を考える手がかりとして、外国語としての日本語を多角的に見つめることにより、受講生が自身の言語学習活動を省察すると同時に、異なる言語や文脈における物事への洞察力を涵養することを目的とし、国内学生と交換留学生を含む留学生が共に学ぶ国際/多文化間共修授業として開講しています。
そして、当該授業の第3回目に当たる6月29日、チュラロンコン大学のユッパワン准教授とオンラインで繋ぎ、Japanese Language Education in Thailand, Career Development as Japanese Language Learnersと題した英語による特別講義を実施していただきました。ユッパワン准教授は講義において、タイの教育システムや第二外国語教育が広く普及している社会的背景、さらに第二次世界大戦後に本格化したタイにおける日本語教育の歴史、日泰間の経済的結び付きや日本のポピュラーカルチャーの普及などを紹介し、これらの要因がタイにおける日本語学習者の継続的な増加に繋がっていると説明されました。さらに、ユッパワン准教授ご自身が、どのようにしてタイの中等教育及び高等教育を受けて日本語を習得され、日本留学を経て社会言語学者してのアカデミックキャリアを形成してこられたのか、またタイ有数の国立大学であるチュラロンコン大学の教員として、どのような姿勢で学生の教育や指導に当たっておられるのか、具体例を挙げて紹介されました。
受講生からは、ユッパワン准教授の講義を通して、タイの初等?中等教育段階からの充実した第二言語教育と日本における語学教育を比較し、その背景にある社会経済的要因について洞察を深めたというコメントや、タイにおける日本語教育という事象を通して、両国の歴史的?経済的つながりに関する知見を得たといったコメントが寄せられました。
ユッパワン准教授は、2004年~2005年にかけて本学の旧留学生センター(現グローバル教育センター)にて、日本語日本文化研修生として学ばれた神戸大学の同窓生でもあられます。今回のユッパワン准教授による特別講義は、2023年3月に中村保理事?副学長(国際連携推進機構長)、河合成雄グローバル教育センター長はじめ、グローバル教育センター教員がチュラロンコン大学を訪問したことにより実現したものです。今回の国際共同授業の実施を契機に、今後さらに両大学の研究?教育交流が促進されることが期待されます。
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参考:中村理事?副学長がチュラロンコン大学を表敬訪問しました | 国立大学法人 神戸大学 (Kobe University) (kobe-u.ac.jp)
(大学教育推進機構)