(キルギス日本センター前での記念写真)

国際人間科学部のグローバル?スタディーズ?プログラムの一環として、学部生17名が9月2日から14日まで、中央アジアのキルギス共和国を訪れ、現地の大学生らと一緒にフィールド調査を行う国際共修活動に取り組みました。さらに期間中、JICAプロジェクトの一村一品運動の現場を訪れたほか、同国を訪問していたJICAの田中明彦理事長と懇談する機会を得るなど、国際協力について多くを学びました。

このスタディツアーは、キルギスの首都ビシュケク市で、日本文化と日本語の普及や両国の人的交流を進めているキルギス日本人材開発センター(KRJC)が主催。キルギスの歴史や文化、社会を学ぶほか、JICAや国連ユニセフが現地で展開する国際協力の現場を訪問することで、国際協力について深く学ぶことを目的としました。さらに、キルギス国立大学やビシュケク国立大学などで日本語を学ぶ学生8名が参加し、「環境」「教育」「文化」「国際」の4つの班に分かれ、市内の大学や店舗、国立公園などを訪問し、関係者にインタビューするなどして、それぞれの班で設定したテーマについて協同で調べました。

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(キルギス人学生とフィールドワーク活動の成果発表)

キルギスは旧ソ連に属し、人口の約5%がロシア系であることに加え、約100万人がロシアへ出稼ぎに行くなど、ロシアとは歴史的?政治的?文化的に強いつながりがあります。国際をテーマにした学生らは、関係者らへのインタビューを通して、戦場にいるキルギス国籍の兵士の話や、ウクライナ侵攻以来、ロシアからキルギスへ移住するロシア人口が増え不動産が高騰する現状など、日本のニュースでは知りえない情報に接し、現地の人々のロシアに対する見方を学びました。

また他の班は、大学で学ぶ目的やその後の就職のあり方についてキルギス人学生と意見交換したほか、国立公園でキルギス人学生たちと清掃活動に取り組みながら、キルギスにおけるごみ問題について考え、さらには、キルギスの食文化から、その背後にある多民族性やジェンダー観について考察しました。

JICAプロジェクトの一村一品運動に携わる生産者たちと

週末には地方のイシク?クル湖も訪問し、JICAの地域振興プロジェクトの一環として、フェルト小物などを製作販売する工場なども訪ねました。また、第二次世界大戦後に旧ソ連軍捕虜として、湖近くの保養所の建設に携わった日本兵125人が暮らしたタムガ村を訪ね、日本兵と交流のあった家族から話を聞き、若い日本兵たちを温かく受け入れた当時の村人たちの様子について知りました。

さらには、神戸大学をはじめ、日本に留学経験のある教育大臣や国会議員、元日本大使ら要人と面会する機会も設けていただき、日本で学んだ経験がどのようにキルギスでの国づくりに活かされているかを伺うなど、短い期間で両国の関係について多面的に学ぶ研修となりました。

(国際人間科学部)