グローバル教育センター留学生教育部門では、毎年、海外協定大学の学生を対象とした「夏期日本語日本文化研修プログラム」を実施しています。

今年度は「大学の世界展開力強化事業」との共催であったため、アメリカやフィリピンの関連大学からの参加もあり、世界各国から合計21名の学生が参加した例年以上に多様性のあるプログラムとなりました。

神戸に関するトピック「大学生活」「日本文化の海外進出」「神戸」「地域経済」「日本の文化?習慣」「言語景観」というテーマのもと、午前の授業では各々のテーマに関する新しい知識を身につけました。そして、午後の授業では、午前に学んだことについて、神戸大学生とディスカッションを行うことで、理解を深めることを目指しました。また、講義とフィールドワークを組み合わせた授業「地域研究」を実施し、神戸の歴史や文化、地域住民の生活に欠かせない商店街の魅力を体験する時間や国際色豊かな神戸市内で見られる多言語を探す活動も取り入れました。

特に今年は期間中、急激な気温上昇に見舞われ、体調を崩す参加者もいましたが、最終日には21名全員この2週間で学んだ成果をまとめ、発表することができました。この最終発表は3~4人がチームとなり、長時間の準備を経て実施されました。10日間という短い期間ながらも、日本語力の向上だけでなく、日本の文化や社会、さらには神戸について理解が深まっていることがうかがえる発表会でした。発表が終わった後の記念撮影では達成感、充実感を含んだほっと一息ついた笑顔がとても印象的でした。

特に日本語で話す力を強化できるプログラムとして企画されており、参加者からは、日本語で話すことに自信がついたとの声が多数寄せられ、好評のうちに終えることができました。

また、本プログラムは、参加留学生だけでなく、神戸大学生にとっても異文化交流ができる場となっています。留学生の日本語学習活動に関わってみることで、日本語や異文化交流に関する理解をさらに深めることができます。在学生においても多様な文化?言語背景を持つ同世代の留学生との交流を通して、日本を「外から見る」視点を養うとともに、各国の事情や異文化コミュニケーションについて学ぶ貴重な機会となっています。

過去には、本プログラムへの参加をきっかけに交換留学生や大学院生として、神戸大学に“帰ってきた”留学生も多数見られます。今回の参加者からも「神戸をもう一度訪れたい」「神戸大学に留学したい」との感想が多く寄せられました。留学生達が短い期間で多くのことを吸収する姿を見ることができ、とても感慨深かったです。今後も同プログラムを通し、神戸と神戸大学の魅力を継続的に海外に発信していければと思います。

(グローバル教育センター留学生教育部門)