文部科学省事務次官?藤原章夫氏が9月9日、神戸市?ポートアイランドの神戸大学統合研究拠点と神戸大学医学部附属病院国際がん医療?研究センター(ICCRC)を訪れ、バイオ生産工学研究室と10月に竣工する医工融合型産業創出拠点?メドテックイノベーションセンター(MIC)を視察しました。藤澤正人学長をはじめ、河端俊典理事、森山睦理事、蓮沼誠久教授、黒田良祐教授、村垣善浩教授と活発に意見交換をしました。
バイオ生産工学研究室では、蓮沼教授が、バイオ生産や研究施設の概要を紹介し、AIやロボティクスを活用し、遺伝子の設計から微生物の培養、構築、分析までを、高速で行うことができる最先端の自動化装置群(バイオファウンドリ)工程を見学しました。本技術は国内の大学の中でも、神戸大学が一番進んでおり、2022年春には岸田文雄首相と末松信介文部科学相(当時)、2024年6月には盛山正仁文部科学相も来学しています。
超高速微生物育種プラットフォームにより、従来であれば、少なくとも5~10年の期間を必要とする開発が、約1~2か月で基盤構築が可能になります。技術開発が短くなることで、企業による事業化機会の創出、アカデミアによる研究促進、人材育成にも活かせるようになります。
藤原事務次官は、バイオ生産について、工業化や大量生産に向けての進展の状況などを尋ねました。
ICCRCでは、国際がん医療?研究センター長の黒田教授と未来医工学研究開発センター長の村垣教授が説明に立ち、黒田教授からは、ICCRCが国内トップレベルのリサーチホスピタルを目指し、先進的治療や医工連携による機器開発と人材育成、データヘルスの推進により世界に貢献できる施設であることを説明しました。
村垣教授からは、神戸市と神戸大学が一体となって進める「神戸未来医療構想」(内閣府の地方大学?地域産業創生交付金事業)の概要と、これまでの成果の一つとして国産手術支援ロボット「hinotori」を用いた商用5Gによる遠隔手術の実証実験に触れ、あわせて2025年春、神戸大学に新設される医学部医療創成工学科を紹介しました。
藤原事務次官は、ICCRC内のロボットトレーニングセンターにおいて「hinotori」が2020年から製造販売を開始し、現在は国内61医療施設に導入、6000例以上の手術実績があることの説明を受けたのち、実際に「hinotori」の操作を体験し、開発を主導した藤澤学長に施術可能な外科分野などを尋ねました。
(総務部広報課)