グローバル教育センターは、12月14日、15日の両日、大阪市此花区のホテル?ロッジ舞洲にて、第30回神戸大学国際学生交流シンポジウム(Kobe University International Students’ Symposium)を開催しました。神戸大学国際学生交流シンポジウムは、「KISS」の名称で親しまれている1泊2日、合宿形式のバイリンガル(英語/日本語)シンポジウムです。
KISSの理念は、神戸大学のキャンパスに集う学生が、日本語?英語のバイリンガルで自由?活発に討議し、意見交換することを通して、異文化理解?相互理解を深めることにあります。KISSの誕生は、阪神淡路大震災が発生した1995年に遡ります。国際的な医学賞であるWOLF財団賞を受賞した神戸大学西塚泰美元学長が、被災留学生のために役立ててほしいとWOLF賞の副賞を寄付してくださり、地域の篤志家からの留学生への寄付も合わせて基金を設立しました。その一部の資金をもとに、元留学生センター教授の瀬口郁子神戸大学名誉教授が中心となり、留学生?日本人学生からなる実行委員とともにKISS第1回を企画?実施し、その後毎年開催され今年度で30回を数えました。
KISSの企画?準備?実施、シンポジウム終了後の振り返りなど、一連の学びの過程を正規の教育に位置付けるという意図により、2013年度以降、神戸大学教養教育院で開講される全学共通授業科目「グローバルリーダーシップ育成基礎演習」として開講しています。
また、当該授業科目は、神戸大学が参画している『国際共修ネットワークによる大学教育の内なる国際化の加速と世界展開』の連携校の学生も受講可能な科目として設定されており、今年度は神戸大学の受講生28名に加え、信州大学、大阪大学から各2名の学生がオンラインで授業を履修しました。
受講生30名の出身国?地域は、日本?日本/ドイツ?中国?台湾?韓国?モンゴル?インド?ネパール?ブルガリア?ポーランド?ドイツ?フランス?イタリア?ベルギー?アメリカ合衆国と16に上ります。多様な文化?言語背景を持つ受講生たちは、日英両言語で多くの時間をかけて議論を重ねKISS30のメインテーマを“Diversity”と定めました。KISS30のリーダーを務めてくれた神戸大学工学部(特別聴講学生)のHasegawa Schlenker Noahさん、国際人間科学部の美齊津七萌さん、文学部のStaggs Joshuaさんのリーダーシップの下、受講生たちは、7つのサブトピックを立てて日本語?英語の両言語を駆使して文献?資料を収集し、KISS30に向けて協力して準備を進めてきました。そして12月14日、15日に開催したKISS30には、普段オンラインで授業に参加していた信州大学、大阪大学からの2名の学生達も大阪に集いました。また、KISSの創始者である瀬口郁子神戸大学名誉教授も応援に駆けつけ受講生達に、30年前にKISSを始めた際の思いやKISSの理念を直接語りかけました。
1泊2日の限られた時間ではありましたが、KISS受講生30名全員で寝食を共にし、バイリンガルでのプレゼンテーション、ディスカッションまた交流活動を通して、様々な視点から議論を尽くし、相互に親睦を深めました。2日目の午後には、冬の晴天に恵まれた舞洲の爽やかな空の下、笑顔の集合写真でKISS30を締めくくりました。
神戸大学では現在、多様な学生達の相互に学び合う国際共修を拡充することを目指しています。グローバル教育センターでは、留学生に対する日本語教育に加え、KISS等の教育活動を通して、今後もキャンパスの国際化促進に資する教育活動に従事していきたいと思います。
(グローバル教育センター)