グローバル教育センター留学生教育部門では、「Kobe Japanese Program January 2025: Explore Kobe and its links to Oceania!」と題した短期プログラムを、2025年1月7日(火)から1月28日(火)にかけて開講しました。同プログラムの開講は、今回で6度目となります。オーストラリア、ニュージーランドの大学で日本語を学習している学生を募集し、オーストラリアの4大学(グリフィス大学、西オーストラリア大学、ニューサウスウェールズ大学、モナシュ大学:五十音順)から19名、ニュージーランドのヴィクトリア大学ウェエリントン校から4名と、これまでで最多の23名が参加しました。

初日の1月7日(火)には、開講式とオリエンテーション、歓迎会を行い、参加留学生たちは翌8日(水)から早速日本語の授業に参加しました。この日の午後に行った交流会には、本学国内学生の有志十数名が参加してくれました。一部の留学生たちは、この交流会で出会った学生と休みの日に遊びに行ったりするなど、プログラム期間中に交流をさらに深めていたようです。

同プログラムは、日本語能力の向上だけでなく、神戸?兵庫の地域研究の授業を通じて、日本社会や日本文化の理解を深めることを目的としています。この目的に合わせて作成したオリジナル教材で日本語を学びつつ、地域研究の授業で、神戸中心地(元町?三宮地域)、六甲?摩耶(水道筋商店街)、姫路城、有馬といった地域を訪れ、各地域の歴史や特徴を、英語による講義や通訳を通じて深く学びました。姫路城や有馬の旅館の見学では、日本の歴史や文化を体感し、神戸地域や水道筋商店街のツアーでは、観光旅行ではあまり知ることのできないことを学び、参加留学生たちは目を輝かせていました。また、発生から今年で30年を迎えた、阪神?淡路大震災についても、本学グローバル教育センター教授で、震災の体験者でもある朴鍾祐教授による神戸ツアーや、防災教育を専門とする、本学国際協力研究科の桜井愛子教授による講義と人と防災未来センターの見学を通じて学びました。日本と同じく地震のあるニュージーランドの学生も、地震を体験したことのないオーストラリア出身の学生も、大変強い関心を示していました。

 

1月18日(土)には、今年も任意参加の沢の鶴資料館見学ツアーを行い、プログラム参加者及び有志の本学交換留学生、国内学生が参加しました。資料館では、広報担当の牧野氏から、英語の通訳を介して伝統的な酒造りの方法や、灘五郷として知られるこの地域の特色を聞きました。参加者たちは、説明を熱心に聞きながら、昔ながらの酒蔵を利用した資料館を興味深げに見学していました。

最終日の1月28日(火)には、最終発表会を行い、留学生たちは3~4名のグループで日本語による発表を行いました。テーマは、地域研究授業に関することや、神戸で見つけたお気に入りなどの本プログラムに関するものから、日本で好きな場所や日本語学習を通じてできた「縁」など、幅広いものでした。ゲストとして神戸日豪協会の太田敏一会長をお招きし、参加者たちの発表のあと、講評をいただきました。プログラム初日には少し緊張していた留学生も、発表会では堂々と日本語で話したり、お互いに質問し合ったりしている姿が印象的でした。その後、修了証の授与を行い、歓送会を行いました。歓送会ではプログラム期間中に撮影した写真をスクリーンで見ながら、思い出を語り合っていました。中には、歌を披露してくれる学生たちもいて、盛り上がりました。この歓送会には、昨年度このプログラムに参加し、現在は本学で交換留学生として学んでいるウーロンゴン大学の留学生2名も参加し、本学での留学生活などについて話してくれました。

昨年度に引き続き、教室や開講式?最終発表会の会場として、本学附属自然科学系図書館のコラボレーションルームや、イノベーションスタジオを利用しましたが、一般の本学学生も出入りする環境で学んだことで、参加留学生たちは、本学での留学生活を具体的にイメージできたのではないでしょうか。歓送会に参加してくれた昨年度の本プログラム修了生のように、今回の参加者が近い将来、本学に戻ってきてくれることを期待しています。

なお、本プログラムでは、上でお名前を挙げた方々のほかに、六甲?摩耶地域でゲストハウスを営む朴徹雄氏、有馬の老舗旅館御所坊で女将を務める金井良宮(ラミヤ)氏、複数の地域研究授業で通訳を務めてくれた、ヘリニャン?アンドレイ氏といった、この地域に住む「元留学生」の方々のお力を借りました(金井氏とヘリニャン氏は本学の同窓生です)。日本語の授業では、本学大学院国際文化学研究科の大学院生4名がティーチングアシスタントを務めてくれました。本プログラムの実施にお力添えくださった全ての方に、感謝申し上げます。

(参考)「Kobe Japanese Program January2025」募集要項

(グローバル教育センター)