奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科の和田七夕子助教、高山誠司客員教授(現東京大学大学院農学生命科学研究科教授)らの研究グループは、東北大学、大阪教育大学、神戸大学大学院農学研究科の安田(高崎)剛志教授、農研機構との共同研究により、どちらか片方の親の遺伝子の性質だけが子に現れるというメンデルの「優性の法則」として知られる現象について、複雑な優劣関係を決定する新たな仕組みを世界で初めて明らかにしました。

今回の研究は、遺伝子の優劣関係を制御する新たな仕組みを明らかにしただけでなく、有用な遺伝子を働かせたり、有害な遺伝子の働きを抑えたりする技術へと結びつく可能性があり、植物育種への応用が期待できます。

本成果は、英科学誌Natureの植物専門オンライン姉妹誌、Nature Plants(1月号:英国時間12月22日、日本時間12月23日)に掲載されました。

論文情報

タイトル

A complex dominance hierarchy is controlled by polymorphism of small RNAs and their targets
(和訳:低分子RNAとその標的の配列多型性によって複雑な階層的優劣性が制御される)

DOI

10.1038/nplants.2016.206

著者

Shinsuke Yasuda1?, Yuko Wada1?, Tomohiro Kakizaki2?, Yoshiaki Tarutani1, Eiko Miura-Uno1, Kohji Murase1, Sota Fujii1, Tomoya Hioki1, Taiki Shimoda1, Yoshinobu Takada3, Hiroshi Shiba1, Takeshi Takasaki-Yasuda4, Go Suzuki5, Masao Watanabe3, Seiji Takayama1,6 (?These authors contributed equally to this work.)

所属:1奈良先端科学技術大学院大学, 2農研機構, 3東北大学, 4神戸大学, 5大阪教育大学, 6東京大学

掲載誌

Nature Plants

研究者