神戸大学大学院医学研究科 精神医学分野(教授:曽良 一郎)は、南海電気鉄道株式会社(以下「南海電鉄」)と協力し、eスポーツプレーヤーなどが安心かつ健康?健全にeスポーツを楽しめる環境の構築を目指して、インターネット?ゲーム依存対策を中心としたメンタルヘルスケアについて普及啓発、研究に取り組みます。
曽良教授は、医学部附属病院でゲーム依存?ゲーム障害の外来診療を行っています。インターネットを介して複数のプレイヤーが対戦するeスポーツの急速な普及に伴って、小中高校生など若年層にゲーム依存等が拡大するリスクを最小化するため、神戸大学eスポーツ研究会のシンポジウム(2019年11月開催)等での講演、日本学術会議での報告など、各種の依存症に関する臨床研究の知見を踏まえた、啓発活動にも力を入れてきました。
今回、下記のように、南海電鉄が大阪?難波地区に開設する「eスタジアムなんば Powered by NANKAI」において、eスポーツの健全な発展を目指して、セミナー形式でメンタルヘルスケアについての啓発を行います。また、今後、ネットゲーム?eスポーツの依存症を防止するための研究にも協力して取り組む計画です。
難波を中心としたeスポーツ文化経済圏構築を目指して
eスポーツ体験型ショールーム「eスタジアムなんば Powered by NANKAI」
~なんばスカイオに2021年夏ごろ開設~
南海電気鉄道株式会社(社長:遠北 光彦、以下「南海電鉄」)では、難波を中心としたeスポーツ文化経済圏構築を目指した取組みを始動させます。
具体的に、まずは、エンターフォース株式会社(代表取締役社長:池田 浩士)およびウェルプレイド?ライゼスト株式会社(代表取締役:谷田 優也、髙尾 恭平、古澤 明仁)と業務提携を行い、2021年夏ごろに、ニューノーマルに対応した施設として、eスポーツ体験型ショールーム「eスタジアムなんば Powered by NANKAI」を、南海難波駅直結の複合商業施設なんばスカイオに開設します。
また南海電鉄では、eスポーツプレーヤーなどが安心かつ健康?健全にeスポーツを楽しめる環境構築に向け、国立大学法人神戸大学大学院医学研究科精神医学分野(教授:曽良 一郎)および国立大学法人神戸大学産官学連携本部オープンイノベーション推進部門の協力の下、インターネット?ゲーム依存対策を中心としたメンタルヘルスケアについて普及啓発を行い、顕在化しつつある社会課題をともに解決すべく取り組んでまいります。
「なんばのまちづくり」を推進する南海電鉄では、今後なんばエリアにおいて、文化?エンターテインメントを軸としたソフト中心のまちづくりが集客?差別化の重要な要素であると考えており、サブカルチャー文化が根付く日本橋エリアとの親和性があるeスポーツを活用しエリア価値向上を図るとともに、ニューノーマルに対応したオンライン配信の拠点とすべく、同施設の開設を目指しております。
開設後、南海電鉄では、同施設において「学生選手権」などのeスポーツ大会を開催するとともに、それらをオンラインでつないだ全国配信を行うことで、ニューノーマルに対応した施設として、同施設から全国へとeスポーツプレーヤーが活躍できる舞台の構築を図ります。
1. 「eスタジアムなんば Powered by NANKAI」の開設について
(1) 背景
南海電鉄では、沿線人口の減少など社会環境の変化が一段と激しくなる中で、中長期視点での人材育成や社内風土変革を通じて既存事業での収益性を向上させるとともに、鉄道事業や不動産?流通事業に続く新たな事業領域への進出を目指して取り組んでまいりました。
コロナ禍を受け、オンライン?オフラインが融合した新しい生活様式が世間に受け入れられつつあり、都市の在り方も再定義されつつある状況下において、引き続きなんばエリアが強力な求心力と魅力を維持?向上し続けるためには、従来型の都市開発手法に加え、なんばエリアのサブカルチャー文化との親和性や、関西国際空港直結である海外とのアクセス性などの強みを生かす必要があります。
(2) 目指すもの
今後のなんばエリアにおいて、文化?エンターテインメントを軸としたソフト中心のまちづくりが集客?差別化の重要な要素であると考え、同施設の開設によって、eスポーツを活用してエリアの価値向上を図るべく、なんばエリアがニューノーマルに対応したオンライン配信のエリア拠点となることを目指します。
また、南海電鉄では、eスポーツを通じて動画配信やプログラミングなどのデジタルリテラシーを幼少期から身に着けた若年層が文化?経済を牽引する世代となっていく将来を見据え、同世代が健全かつ健康にeスポーツを楽しみ、さらに活躍できる仕組み作りを目指します。また、同世代へのサービス提供を通じて、直接的なリレーションを構築するとともに、顧客基盤を強固なものとし、これまでとは異なる新たな顧客価値提供を行うことで南海電鉄グループ全体の企業価値向上を図るべく、取り組んでまいります。
2. 「eスタジアムなんば Powered by NANKAI」の概要について
(1) 施設概要
eスポーツの特徴である、ユーザーによるオンラインでの配信や企業によるイベント開催を手軽に実施できるよう、専門スタッフを配置し、メーカーによる専用機材をユーザーが実際に使用しながら体験できる施設です。
また、使用した専用機材に関しては、その場でメーカーの販売用ホームページや実店舗へご案内するなど体験型ショールームとしての機能も備えています。
※ 同施設は、エンターフォース株式会社が九州を中心に手掛けるeスポーツ専用施設「eスタジアム」の特徴を生かしたもので、南海電鉄は、同社のeスポーツに関する専門的な知見とネットワークに基づき、ともに施設開発?運営などを推進していきます。
※ ウェルプレイド?ライゼスト株式会社は、国内最大級のeスポーツ総合商社としての強みを生かし、同施設の特徴の1つである体験型ショールームの機能を有効かつ効果的に発揮するべく、利用企業や協賛企業の誘致を行います。
開設期間 | 2021年夏ごろ(予定) |
施設面積 | 94.64m2(28.62坪) |
営業時間? | 11時~20時 |
施設運営 | 南海電鉄 |
運営協力 | エンターフォース株式会社、ウェルプレイド?ライゼスト株式会社 |
利用料金 | 10万円~(施設1日使用、映像?音響?撮影?配信機材の貸出含む) ※ 施設をそのままご使用される場合は、上記金額となります。ただし、運営者側に大会の企画や配信の実務なども併せてご依頼される場合や、土日祝日の利用は追加で別途料金が必要となります。 ※ ゲームプレーヤーまたは配信要員として同施設を1度にご利用いただける人数は最大10名です。 ※ 配信用機材(ゲーミングパソコン?ゲーミングチェア?音声ミキサー)をはじめ、撮影用機材(カメラ)や動画編集用機材(キャプチャーボード)などもご使用いただけます。 ※ 基本的なゲームタイトルは揃えています。 |
施設体験 | どなたさまでも、お気軽に施設をご覧のうえ、無料で専用機材を体験することができます。 ※ 施設利用日や、イベント?eスポーツ大会の開催日などは、体験していただけませんので、ご注意ください。 ※ 予め日時を決め、学校単位の部活動として施設利用を体験いただく機会を設ける予定です。 |
備考 | 開設にあたっては、一般社団法人日本アミューズメント産業協会が策定する「ゲームセンターにおける必威体育感染拡大予防ガイドライン」に則り、利用者へのマスク着用、手指消毒の励行、専用機材の定期的な消毒の実施など、適切に感染防止対策を講じてまいります。 |
施設ホームページ:e スタジアム なんば powered by NANKAI
(2) eスポーツ大会
南海電鉄では、eスポーツプレーヤーが活躍できる舞台を作ることでeスポーツ参加人口の裾野を拡げ、eスポーツ文化の発展に貢献するべく、エンターフォース株式会社、ウェルプレイド?ライゼスト株式会社らとともに、eスポーツ大会を企画?実施します。
特に、新生活における新しい環境での人と人との交流がコロナ禍で困難である新入生や新社会人の方々をサポートするため、以下の「学生選手権」と「企業対抗戦」を行います。
なお、実施に際しては「eスタジアムなんば Powered by NANKAI」に特別配信ブースを設置し、実況解説者を置くなどして大会の模様を配信します。
【学生選手権】
名称 | 関西eスポーツ学生選手権大会 |
主催 | 南海電鉄? |
開催時期 | 2021年夏ごろ(予定) |
試合方式 | オンラインのみ?トーナメント方式 |
参加料金 | 無料 |
参加条件 | 2府6県 (大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山、徳島、鳥取) の中学校、高等学校、大学、専門学校に在籍していること ※ 混成チームでの参加可 |
【企業対抗戦】
名称 | 難波eスポーツ企業対抗戦 |
主催 | 南海電鉄 |
開催時期 | 2021年夏ごろ(予定) |
試合方式 | オンラインのみ? |
参加料金 | 無料 |
参加条件 | 大阪市中央区?浪速区に事業所のある企業に在籍していること |
(3) メンタルヘルスケア
南海電鉄では今後開催する「学生選手権」などのeスポーツ大会において、その出場者や関係者、ひいてはeスポーツプレーヤーの大半を占める若年層の方々が、安心かつ健康?健全にeスポーツを楽しみ、応援できる環境の構築に向け、国立大学法人神戸大学の協力の下、セミナー形式で、メンタルヘルスケアについて普及啓発を行い、顕在化しつつある社会課題をともに解決すべく取り組んでまいります。
同施設を配信施設として使用し、オンライン上でセミナーを開催していく予定です。
【参考①】関係者概要
1885年(明治18年)12月に日本最初の純民間資本により創業した阪堺鉄道を前身にした鉄道会社。大阪?難波を起点に関西空港?和歌山市?高野山を結んでおり、営業キロ程は154.8km。
2016年4月設立。九州を中心にeスポーツ専用施設「eスタジアム」の運営やeスポーツに関する教育機関へのプログラム提供、プロeスポーツチーム「ENTER FORCE.36(エンターフォース?サーティーシックス)」の運営などを手掛ける。
2015年11月設立。eスポーツ関連の大会?イベントの企画?制作?運営などを手掛ける国内最大級のeスポーツ総合商社。
全国有数のインターネット?ゲーム依存専門外来を開設しているゲーム依存対策拠点。
【参考②】南海電鉄とプロeスポーツチームとのパートナーシップ
南海電鉄は、エンターフォース株式会社のプロeスポーツチーム「ENTER FORCE.36」と包括的相互協力協定を締結し、オフィシャルパートナーとなりました。今後、eスポーツプレーヤー?ファンの熱狂を作ることはもちろん、健康?教育に関しても一丸となり啓発?発信してまいります。