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環境パフォーマンス

有害物質の管理及び対応

1. 実験排水の管理について

神戸大学が環境に与える負荷の一つに実験室から排出される実験廃液があります。

公共下水道に流すことのできる水質の基準は「排除基準」と呼ばれ、 下水道法および神戸市下水道条例により定められています。

本学では定められた排除基準を遵守するため、実験室のある建物ごとにPH計を設置し、 毎日数値を記録・監視しています。

また、学内の排水経路の複数箇所に自動採水器を設置し、 多いところでは月2回採水を行って数項目の化学物質を検査しています。特に実験廃液を大量に排出する理系学部には、 有害物質を取り除く除害施設を設置し、排除基準値を超えた排水が流れ出ないよう中和処理や曝気処理を行って排水を適切に管理しています。

平成17年度においては、上記に記載したように適切な排水管理に努めた結果、 排除基準値を超過したことにより行政機関から指導を受けたことはありませんでした。

排水の水質監視のための施設等

・pH計 10ヶ所
・採水箇所 23ヶ所 (うち自動採水器より採水 9ヶ所)
・中和・曝気槽 4ヶ所

pH計の値の読み取り・記録

pH計の値の読み取り・記録

pH計

定められた排除基準を遵守するため排水のPH値を記録・監視しています。
※PH (水素イオン濃度) の排除基準値は5を超え9未満です。


自動採水器による採水作業

自動採水器による採水作業

自動採水器

マンホールを手作業で開けての採水作業は危険を伴うため安全で的確な採水ができる自動採水器を設置しています。


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2. PRTR への対応

PRTR とは Pollutant Release and Transfer Register (化学物質排出移動量届出制度) の略で、 有害な化学物質がどのように使われ、処理をされているかを把握して使用量の抑制・環境の保全に役立てようとするものです。

わが国では1999年に制定された「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 (化管法)」 により制度化されました。

PRTR では報告対象となる化学物質の年間使用量が1トンを超えると行政機関への報告が義務となりますが、 本学の場合、1トンを超える使用量の指定化学物質はありません。

しかし、使用量の多少に拘わらず適正な薬品管理は不可欠であり、本学では毎年、 化学物質の大気・土壌などへの排出量および廃棄物として処理した量などを調査し、 使用量のコンピュータ管理など制度面での充実に努めています。

3. 医療廃棄物

楠地区の医学部と附属病院では、使用済みの注射針、 血液や体液の付着したガーゼ等感染症を発生させる恐れのある特殊なゴミが発生します。

これらのゴミは、「廃棄物処理及び清掃に関する法律」により特別管理産業廃棄物の感染性産業廃棄物という項目に分類され、 その管理及び処理方法については厳重に行うことが規定されています。

平成17年度に附属病院等で発生した医療廃棄物は、次のとおり処理しました。

医療従事者が所定の容器に収納
専用の保管庫に集積
収集運搬:(株) 衛生センター
中間処理 (焼却) :(株) 衛生センター
最終処分 (埋め立て):(財) 岡山県環境保全事業団

感染性廃棄物専用容器

感染性廃棄物専用容器
(ペールボックス20L)

感染性廃棄物専用容器

感染性廃棄物専用容器
(段ボール容器45L)

感染性廃棄物専用保管庫

感染性廃棄物専用保管庫


17年度廃棄量

容器種別 個数 容量 (L) 重量 (kg) 備考
ペールボックス (20L) 4,355 87,100 26,130  
段ボール (45L) 29,567 1,330,515 295,670  
  1,417,615 321,800  

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4. PCB廃棄物への対応

神戸大学では、各部局の電気室等に 「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理に関する特別措置法」に基づきPCB含有絶縁油の電気機器を適正に保管しています。

今後、日本環境安全事業 (株) 大阪事業所に処理を委託してPCB廃棄物の解消を図ります。

また、微量PCB混入の恐れがある使用中の電気機器についても平成18年度に調査を進め適正な管理を図ります。

PCB廃棄物数量一覧 (平成18年3月末時点)

部局名 保管場所 PCB廃棄物の種類別数量 (台・個) 備考
変圧器 油入り遮断器 進相用コンデンサ 放電用リアクトル 照明用安定器 ドラム缶保管油 ウエス
本部 本部管理棟
1階電気室
    8         8  
特高受電所     4 2       6  
PCB廃棄物
保管倉庫
    1   10,563   1 10,565  
工学部 機械工学科棟
1階電気室
4   1 1       6  
大学教育研究センター E棟1階
電気室
2   1         3  
発達科学部 PCB廃棄物
保管倉庫
1   7         8  
医学部       5         5  
海事科学部           877 1   878  
  7 0 27 3 11,440 1 1 11,479  

※高濃度PCB廃棄物の日本環境安全事業 (株) への早期登録は平成18年3月27日に完了しています。

※PCB入り機器は1972年に通産省通達により製造及び使用が禁止されていますが、 それ以降でも1989年以前に製造された機器については環境省より廃棄時にPCBが微量混入しているかどうかの確認を行う旨の通達が出されています。

5. アスベストへの対応

(1) 調査の実施

神戸大学は外部の試験機関に依頼し、 平成17年12月2日から12月11日にかけて学内施設12か所の検体で大気中のアスベスト濃度の調査を実施しました。

(2) 分析結果

調査の結果、下一覧表のとおり測定値はいずれも0.5未満〜0.9f/リットルでした。また、 各建物の屋外での濃度測定結果は全て0.5 (f/リットル) 未満でした。

これらの濃度は、大気汚染防止法で定められている敷地境界線における大気中のアスベスト濃度の基準10f/リットルよりかなり低い値であり、 また世界保健機関 (WHO) が示しているアスベスト濃度1〜10f/リットルと比べても低い値となっており、 安定した状態であることが確認できました。

(3) 今後の対応

吹き付けアスベスト等19か所のうち、すでに附属明石中学校ホール及び附属住吉中学校北玄関につきましては除去 (除去・封じ込め・囲い込み) などの対策を終えています。

残り6か所につきましては、平成18年度中に引続き対策を実施します。

吹き付けアスベスト等使用建物一覧 (平成18年3月末現在)

団地名 棟名称 階数 室名 部位 室面積
(m2)
アスベストの種類 石綿含有率
(%)
濃度測定結果
(f/リットル)
備考
六甲台1 第2学舎 1、2階 教室 天井 713 アモサイト・クリソタイル 5 0.5未満 *1
第3学舎 1階 更衣室、通路、倉庫、端子集合室、シャワー室 天井 164 クリソタイル 6 0.5未満〜0.7 *1
六甲台2 文学部新館 1階 ピロティー 天井 54 クリソタイル 4.4   *2
本部管理棟 4階 機械室 壁天井 14 クリソタイル 5 0.5 *1
6階 機械室 壁天井 14 クリソタイル 5.3 0.5未満 *1
情報知能工学科棟 B1階 機械室 壁天井 100 クリソタイル 2.1 0.5未満 *1
2、各階 研究室、階段 天井 216 クリソタイル 3.6 0.5未満〜0.5 *1
鶴甲1 教室棟 1〜3階 講義室、自習室 天井 769 クリソタイル 2 0.5未満〜0.5 *1
教室棟 1〜3階 講義室 天井 423

クリソタイル

3 0.5未満 *1
住吉1 中学校校舎 1階 北玄関 天井 21 クリソタイル 5.4   *2
基礎校舎 B1、
R階
機械室、ボイラー室、EV機械室、排風機室 天井 380 クリソタイル 1.6   *2
基礎校舎 B1、2、3階 電気室、冷室、低温室、階段 天井 361 アモサイト・クリソタイル 13 0.5未満〜0.5 *1
明石 附属明石中学校 1階 ホール 天井 148 クリソタイル 1.6   *2

大久保

本館 1階 陶工教室、木工室、農業教室 天井 168 クリソタイル 1.7   *2
本館 2階 美術室、研究室 天井 83 クリソタイル 1.7   *2
本館 1階 昇降口 天井 48 クリソタイル 1.7   *2
深江 総合水槽実験棟 1階 倉庫 天井 15 アモサイト・クリソタイル 9 0.5未満 *1
  大学事務局 3、4、各階 秘書室、第一会議室、第二会議室、階段 天井 186 クリソタイル 1 0.5未満〜0.9 *1
ひよどり台 ひよどり台合同宿舎2号棟 1〜4階 玄関、ホール、WC 天井 136 クリソタイル 2 0.5未満〜0.9 *2

※1 H18年度除去等対策実施予定
※2 除去等対策実施済

(注) 濃度測定について
・本調査の定量限界値は0.5 (f/リットル) であるため、濃度計算の結果が0.5 (f/リットル) 未満のものについては全く検出されなかった箇所も含め全て「0.5未満」と表示しています。
(定量限界値とは、その分析方法で十分信頼性をもって検出することのできる被分析物の最小濃度の値のことです。)

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