イラン音楽

イラン音楽

声の文化と即興

絢爛かつ細密な旋律と即興演奏を醍醐味とするイラン音楽。その魅力の核心を、現地で学んだ気鋭の研究者兼演奏家がはじめて解き明かす。

  • 著者
  • 谷正人
  • 出版年月
  • 2007年07月
  • ISBN
  • 9784791763542

本刊行物は、イラン音楽の特徴のひとつとされる即興演奏を対象に「音楽家は一体何をどのように演奏しているのか?伝統音楽の習得プロセスにおいて、そもそも学習者は一体どのような規範を体得し、即興演奏を可能なものとしているのか?」という問題意識を発端として、筆者自身の長年のフィールドワークに基づき書かれたものである。

絢爛かつ細密な旋律と即興演奏を醍醐味とするイラン音楽。その魅力の核心を、現地で学んだ気鋭の研究者兼演奏家がはじめて解き明かす。民族音楽研究の枠をこえて、近代西洋的な「自由」「個性」や従来の「即興」概念を書きかえる、画期的成果。

人間発達環境学研究科 准教授 谷正人


目次

  • はじめに —問題の所在
  • 第1章 ラディーフとはなにか —その再定義にむけて
  • 第2章 読譜行為を支える声のイメージ
  • 第3章 即興概念 —即興モデルと対峙する演奏者の精神と記憶のあり方
  • 間奏 「語りの文化」としてのイラン音楽
  • 第4章 チャルフ —演奏形式と楽曲構造にみる「廻り」のパラダイム
  • 第5章 グーシェ(旋律型)分析
  • 第6章 即興を学ぶコンテクストの変容 —「書くという精神構造」がイラン音楽の営みに及ぼした影響