The Economic Transition in Myanmar after 1988

The Economic Transition in Myanmar after 1988

Market Economy versus State Control

1988年から2000年代までのミャンマーの経済政策とその成果の流れを追うことによって、軍政期のミャンマー経済の経済発展の全体像の把握を目指す。

  • 著者
  • 藤田幸一, 三重野文晴, 岡本郁子
  • 出版年月
  • 2009年03月
  • ISBN
  • 9789971694616 / 9784876984688

1970年代からミャンマーで進められてきた内向きの経済政策による輸入代替は、結局のところ失敗に帰し、非効率な国営企業と広範な貧困が残された。1988年に成立した軍政は、経済の自由化、外国投資の開放そして貿易への民間参入を進める。これらの政策は、市場経済化という世界潮流と軌を一にするものではあったが、不安定な政治環境もあり、この国では近隣の東南アジア諸国とは相当に異なる経済の様相が形成されてきた。

本書は、1988年から2000年代までのミャンマーの経済政策とその成果の流れを追うことによって、軍政期のミャンマー経済の経済発展の全体像の把握を目指すものである。

主要な問題関心は以下の2つからなる。第1に、軍政当局は、非効率な社会主義経済システムをどのようにして改革し、そしてどのような形の市場経済に変容させてきたのか。第2に、軍政当局は、大規模な貧困削減に決定的に関わる農業部門や低開発部門をどのようにして開発してきたか、そして、それは成功したのか否か。

執筆者たちは、政府統計の信頼性の乏しさという限界を、マクロ?レベル、ミクロ?レベルの様々な情報を駆使することで克服し、政府が、こうした点についてどのように対処してきたかを明らかにしようと試みる。

大学院国際協力研究科教授?三重野文晴、本書解説より抄訳


目次

  • PART ONE: Macro Economy and Industrial Structure
    • Chapter 1 Characteristics of Capital Accumulation in Myanmar, 1988-2003
    • Chapter 2 Industrial policies and the Development of Myanmar's Industrial Sector in the Transition to a Market Economy
    • Chapter 3 Trade, Foreign Investment and Myanmer's Economic Developent in the Transition to an Open Economy
    • Chapter 4 The Financial Sector during the Transition to a Market Economy in Myanmar
  • PART TWO: The Economy of Agriculture and Labour
    • Chapter 5 Overview of Agricultural Policies and the Development in Myanmar
    • Chapter 6 Transformation of the Rice Marketing System after Market Liberalization in Myanmar
    • Chapter 7 Agricultural Labourers in Myanmar during the Economic Transition: Views from the Study of Selected Villages
    • Chapter 8 Urban Informal Sector Labourers in Yangon