地域教育の構想

地域教育の構想

教育理論および政策研究を地域と社会の視点から、歴史的、多角的に捉え直す集団的研究の試み。三上和夫先生の退職記念書。

  • 著者
  • 三上和夫, 湯田拓史 編著
  • 出版年月
  • 2010年03月
  • ISBN
  • 9784886836694

本書は、三上和夫先生の退職を記念して刊行された本である。

ただし、記念本にありがちな先生との思い出を語るような言説はない。編集者の方針から、研究者や院生、教育関係者を対象とした骨太な論文集となっている。

内容構成は、理論?歴史?応用テーマの3つであり、学会の重鎮?中堅?若手が集い執筆した、研究の最前線に位置する論文ばかりである。何れも三上先生の研究から受けた影響を自分の研究に最大限に昇華したものとなっている。

さらに、今後「地域社会と教育との関係」を考察する上で、大いに参考になる内容となっている。

百年史編集室助教?湯田拓史


目次

  • 教育理論における「社会」
  • コミュニティ?スクールとチャータースクール—オールタナティブな公立学校モデル
  • 都市の地域特性と教育統治—アメリカにおける市長直轄管理導入の要因を中心に
  • 学校統廃合をめぐる政策研究課題の今日的再検討
  • 第三次小学校令の成立と実施に関する研究—就学督促政策の解釈と展開
  • 戦前期学校経営政策における「地方」の位置
  • 中国における「民工子弟学校」の設置の意義
  • 教員養成における地域—日本の地域教師教育機構(構想)とイギリスの地域教員養成機構Area Training Organizations
  • 在日外国人児童生徒に対する地域教育の将来像—中国帰国児童の保護者への調査を通して
  • 高等学校無償化政策の制度的課題と若年層の教育機会
  • 地域社会と大学との連携の現状—近年の地域連携の在り方をめぐって
  • 環境問題における教育の役割
  • リスクという視点から
  • 「生活環境整備補助金」による学校整備—北関東N市の事例