裏側からみた美術史

裏側からみた美術史

通常の美術史では取り上げられていない意外なエピソードや発見を綴った異色の二十話をを集めた掌編。

  • 著者
  • 宮下規久朗
  • 出版年月
  • 2010年10月
  • ISBN
  • 9784532260965

本書は、資生堂の『花椿』誌の好評連載中のエッセイ「美術史ノワール」をまとめたものである。基本的にそのときどきの興味や常日頃思っていることを綴った美術漫談であり、大学やカルチャースクールでいつも話している内容の一端である。いずれも私の興味を押し出したものであるが、生と死、聖と俗、言葉とイメージ、芸術家と人格、性と食、権力と展示、純粋美術と民衆美術など、美術史の普遍的なテーマにもふれているのではないかと思っている。美術史は画家の伝記の連なりではなく、美術作品が人の心や社会にどのように作用したかの軌跡であるからである。以前あちこちに書いた文章や別のいくつかの拙著と部分的に重なる内容もあることをご容赦願いたい。

「指名手配写真を美術館に飾ったら、それはアート? 美術史の教科書には載っていない異色の掌編20話」(オビより)

必威体育研究科准教授?宮下規久朗


目次

  • 第1話 天才の嫉妬
  • 第2話 不良か優等生か
  • 第3話 ヌードが取り締まられるとき
  • 第4話 肖像と権力
  • 第5話 死刑囚と美術
  • 第6話 誹謗の肖像
  • 第7話 危険な食物
  • 第8話 究極の身体芸術
  • 第9話 天国への階段
  • 第10話 本物と偽物のあいだ
  • 第11話 聖像が隠されるとき
  • 第12話 社会不安は美術を変え得るか
  • 第13話 芸術家の晩年と絶筆
  • 第14話 語ることができることとできないこと
  • 第15話 記録と追悼
  • 第16話 映画になった画家たち
  • 第17話 医学と美術のあいだ
  • 第18話 聖人の力と呪い
  • 第19話 戦争と美術
  • 第20話 回顧展の流行