本書は Richard Aldrich (ed.) A century of Education、Routledge, 2002の部分訳である。本来は、当然全訳をしたかったのであるが、紙幅の都合をはじめとする諸般の事情のため、謝辞、年表、グロサリー、索引、著者紹介および、第3章、第5章、第8章をカットせざるを得なかった。なお、監訳者二名が訪英時にオルドリッチ教授と面会し、「紙幅の都合でやむを得ず、3つの章を削除したいのだが、どれを削除するのがよいか」と伺い、指定されたのが上記の3つの章である。いずれ劣らぬ重要な章ではあるが、日本の事情への適合性、日本の読者の関心などを考慮して、オルドリッチ教授自らが指示された章をカットした。
本書は初等教育、中等教育、高等教育、教師、学生と生徒など各トピックごとにイギリスにおける20世紀初頭の状況と20世紀末の状況とを記述し、2時点間の100年にわたる変化の過程を分析したものである。各章とも著名な第一人者が執筆しており、現代イギリスの教育の変容の課程、現在進行している諸改革の歴史的意義を理解する上で最適の教科書であり題意旧の学術書でもあると言えよう。一人でも多くの方にお読みいただきたい。
なお、各章の訳文については、いつもながら慣れない作業で、生硬なものもあることと思う。諸賢のご意見?ご批判を受けて改めていきたい。
大学教育推進機構/大学院国際協力研究科教授?山内乾史