本書は、ねこのポーポキを主人公とする「ポーポキのピース?ブック」シリーズの3冊目に当たります。このシリーズは、ポーポキ?ピース?プロジェクトの平和活動や平和教育実践の教材として使われています。今回は、健康と平和を広く捉え、テーマを「元気」にしました。なぜなら、戦争や災害、差別、病気、疎外感といった問題を原因に元気を失い、決して平和とは言えない状態にいる人がたくさんいるからです。失った「元気」をとり戻すだけではなく、そこからより積極的な「平和」をつくり出すためにも使ってもらいたいと思っています。
本書は、他のピース?ブック同様、問いかけを中心に作られており、読者に答えを考えてもらう構成になっています。今回は、元気を失ったポーポキが元気を探しに散歩に出るという物語です。散歩の途中にいろいろな仲間に出会い、それぞれの「元気」を訪ねます。ポーポキはだんだんに元気になってきて、今度は周囲を元気づけるようになります。各ページの最後にそのページの内容を受けて、元気や平和についての問いかけが載っています。
ポーポキ?ピース?プロジェクトは、東日本大震災の被災地でも活動を展開しており、被災地で考えた「元気」も本書に反映されています。人間やほかの生き物の生と死をテーマにした本書は確かに絵本ですが、読者の年齢を問いません。絵本として小学校低学年のお友だちにも、大人のみなさんにもぜひ読んでいただきたいです。また、多くの方々が読めるように、日本語と英語で書かれていますが、国際理解教育や英語の学習にも利用できます。多くの人が元気について考え、少しでも元気になればうれしいと思います。
国際協力研究科?教授 ロニー?アレキサンダー