本書は2006年に学文社より刊行した山内乾史?杉本均 編 『現代アジアの教育計画 上』 『現代アジアの教育計画 下』 の補巻である。幸いに同書は学界において一定の評価をいただき、アジア地域の教育について考察するときの主要参考文献の一つとしてあげていただく機会が多いようである。
ただ、刊行後10年を経過して、データが古くなっている事に加え、根本的に教育計画や教育制度の見直しを行った国?地域も多い。しかし、上下二巻本の全面改訂というのはとてつもない作業である。執筆者も10年前は若手研究者が中心であったが、今や学界においても本務校においても、中核的な役割を担うようになっている方が多く、多忙を極めておられる。そこで、補巻としてこの10年の動向を中心に、あくまでも「既刊上下巻の情報を補う」という形で、本書を出版させていただくこととなった。ご意見?ご批判を賜れば幸いである。
大学教育推進機構/大学院国際協力研究科?教授 山内乾史
第1章 ブータン王国における教育計画 第2章 インドにおける教育計画 第3章 東南アジアの教育計画と質向上のための課題 第4章 中国の教育計画 第5章 韓国における総合的な教育計画の特徴と限界 第6章 日本における学習指導要領の改訂について考える ―「正解主義」からの脱却と、アクティブラーニング導入による子どもたちの「息苦しさ」に注目して― 第7章 大学への進学移動パターンの変化について考える ―神戸大学を事例として― 第8章 アラブの春とイエメンの教育計画 第9章 キルギス共和国の教育計画 ―教育開発戦略とその課題―