輸送包装分野の力学的素養を身につける、技術実務者のための一冊。応用事例として、最新の技術開発?包装事例を約30件掲載。
輸送包装では、包装内容品の物理的損傷つまり「ハザードとしての力」が、非常に重要なターゲットである。本書は、形式知として輸送包装分野の力学的素養を完全に身につけるための自習を促すとともに、様々な最新の応用?技術開発事例を理解することによって、関連技術実務者のレベル向上を手助けすることを意図している。
第1編「基礎力学」では、まず「運動の基礎知識」によって、関連する初等力学(数学)の素養を身につけたうえで、包装貨物に作用する3つの力学的ハザードである「荷重変形」「振動」「衝撃」の基礎知識を徹底的に学習できる。
第2編「力学的輸送包装技法」では、「適正包装設計」のコンセプトを確認した後、設計フローの項目である「輸送環境調査」「製品強さ衝撃試験」「包装材料の性能評価と設計」「包装貨物評価試験」について詳細に記述されている。
第3編「応用事例」では、様々な輸送包装の技術開発と包装事例を網羅している。
ここで取り上げている約30件もの事例は、いずれも最新技術の集約であり、いまでもその技術レベルは向上している。次世代の輸送包装技術者にとって大いなるヒントとなることを期待している。
海事科学研究科 輸送包装研究室 教授 斎藤 勝彦