神戸大学附属中等教育学校は、神戸大学の附属学校の再編により、2009年度に中高一貫の学校として創立されました。創立当初から「探究」による学びを中心に据え、6年間で一貫したリサーチリテラシーの育成を行ってきました。その教育の総仕上げとして位置づけられているのが「課題研究」(卒業研究) です。これは、各生徒が主体的に「研究テーマ」を設定して研究を行い、18,000字の卒業論文にまとめるものです。
新学習指導要領では、高等学校での「総合的な学習の時間」は「総合的な探究の時間」になるように、「探究」は新しい学びを代表するキーワードです。そこで、本書は、創立10周年にあわせて、神戸大学附属中等教育学校の実践をまとめ、全国の探究指導および課題研究の取組の参考になることを目指して刊行したものです。具体的には、神大附属の課題研究の具体的な指導の様子と成果、および生徒の成長をまとめた「実践編」と、実践の背後に位置づけられる理論的枠組みをまとめた「理論編」によって構成されています。
大学院人間発達環境学研究科 准教授 林 創?神戸大学附属中等教育学校