「言葉があった。そして、言葉遣いにとことんこだわった。それが記号と言われようと言説と言われようと、またイデオロギーと言われようと、そこには言葉への強い批判的感受性から生まれる、スチュアート?ホールにしかできない政治への介入の仕方があったのである」
カルチュラル?スタディーズの理論家、スチュアート?ホール。ジャマイカで生まれ、イギリスに渡ってメディアや現代文化の批判的研究に貢献し、反人種差別をめぐる社会運動や黒人アーティストたちの表現活動にも影響を与えた。民衆(ポピュラー)の具体的な複雑さについて考えることを厭わず、理解し、それを語ること。ホールのもとで学んだ著者が分断の時代に問う、「ポピュリズム」に対峙する知的技能の可能性。
新泉社 書籍紹介より