1989年に始まる平成年間は、日韓関係においては特殊な時期に当たっている。即ち、この時期は1980年代末の楽観に満ちた日韓関係が1991年の慰安婦問題や2005年の竹島問題の激化等を経て、急速に悪化していく時代に当たっている。それでは、何故にこの時期の日韓関係は当初の予想に反して悪化する事を余儀なくされたのか。本書ではこの問題について各時期における政治的アクターの具体的な動きに注目しつつ、描写?考察している。近い時代の、しかしながら時に忘れられがちな事実を振り返る事で、日韓関係更には国際関係について理解を深めて欲しい。
国際協力研究科 教授 木村 幹