イラン伝統音楽の即興演奏

イラン伝統音楽の即興演奏

声?楽器?身体?旋法体系をめぐる相互作用

イラン伝統音楽の即興演奏が複数の要素の相互作用によって成立していることを、筆者自らが即興演奏を実践?試行錯誤して得た知見をもとに、多様なテーマを通して明らかにする。

  • 著者
  • 谷正人
  • 出版年月
  • 2021年01月
  • ISBN
  • 9784799801901

本書は、これまでイラン伝統音楽の即興演奏を研究してきた著者が、自ら即興の実践を行い試行錯誤するなかで得た様々な知見をもとに考察を行ったものである。

著者が専門としているサントゥールという打弦楽器のみならず、他の複数の楽器や声楽?ペルシア古典詩、更には即興演奏や曲作りのレッスンなど、多様な音楽教授の現場への参加。イラン音楽の即興演奏が、声?楽器?身体?旋法といった複数の要素の相互作用によって成立していることを、「声の模倣という難題と対峙する打弦楽器」「指から音楽を理解すること」「楽器ごとの身体性の違いから来る即興演奏の自由度の差」「従来のサントゥール語法と近年の語法との比較」など、多様なテーマを通して明らかにする。

人間発達環境学研究科 准教授 谷正人


目次

  • 第1章 「個性」はいかに研究可能(記述可能)か?
  • 第2章 歌謡における言葉のリズムと音楽のリズム
  • 第3章 打弦楽器を巡る試行錯誤 ―インドとイランのサントゥール
  • 第4章 指で感じ理解すること ―楽器間で異なる身体感覚の研究に向けて
  • 第5章 サントゥール演奏の新しい身体性 ―楽器盤面の地政学へ向けて
  • 第6章 ラディーフから何を学ぶのか?