メキシコにはアガベと呼ばれるリュウゼツランからつくられたテキーラとメスカルという蒸留酒がある。同じ起源をもつふたつの酒だが、特定の土地でつくられたテロワール産品はテキーラとしてグローバルに知られるようになった。そして、近年ではそれを追いかけてメスカルもメキシコのローカル市場から脱却しようとしている。
本書は、同じ起源をもつにもかかわらず異なる産品となった香気に富むこのふたつについて、生産現場から消費地までをつぶさに踏査のうえ名酒生産がはらむポリティクスを読み解く。
ミネルヴァ書房 書籍紹介より