本書は部分的には神戸大学で著者が行った講義に基づく教科書／参考書です。

内容としては、大学初年度の教科書で通常取り上げられる線型代数の範囲を、ほぼカバーしていますが、角度の概念の厳密な導入など、通常の講義では取り上げられることのない話題についても触れています。

また、この本は、読者にとって最初に読む現代的な数学への入門書となりうることも考慮して数学の基礎概念や言葉遣いについても紙数をさいて説明しています。読者にとって、これを読むことが (数学的に) 深く考えることの入口となり、読みながら考えることで学習を完結できる自習書／参考書ともなることを目標として書かれたものでもあります。

神戸大学名誉教授　渕野 昌

目次

• 第１章　舞台設定-行列とベクトル
• 第２章　前提知識－記法や論法などについて
• 第３章　行列の演算
• 第４章　初等幾何でのベクトルと行列
• 第５章　連立一次方程式
• 第６章　行列式
• 第７章　線型独立性と基底
• 第８章　線型写像と固有値