本学国際人間科学部のJICA開発援助論のJICA側担当者の井田暁子氏と、学部側担当者の梅屋教授は、かつて1999年にウガンダで知己を得た旧知の間柄であった。梅屋教授は当時大学院生だった。
本書は、井田氏の提案で2017年12月16日にJICA関西(兵庫県神戸市)で行われたシンポジウム「アフリカにおける健康と社会──人間らしい医療を求めて」の記録である。時間をかけて当日はなかった論考もコメントも充実し、結果として5つの論考と3つのコメントなどを収録した書籍として刊行された。コロナ流行を経た日本に、感染症先進国のアフリカからのメッセージともなるだろう。
グローバル?サウス、なかでも貧困がいまなお深刻なサハラ以南アフリカを舞台に、「人間らしい医療」のあり方を学際的かつ多専門的に追究した意欲的な試みである。
国際文化学研究科?教授 梅屋 潔