本書は日本で初の本格的な応用言語学の概説書となった初版(2017)の全面改訂版です。
本書は、いわゆる外国語教育論を、応用言語学(applied linguistics)というより広い視野でとらえなおし、L2の習得(第2言語習得論)、言語対照(対照分析、誤用分析、中間言語分析、学習者コーパス研究)、L2の処理(心理言語学)、学習者特性(年齢?適性?性格?学習スタイル?学習方略?動機づけ)、教授法(歴史、展開、現代の主要教授法)、言語能力観(コミュニケーション能力観、各国シラバスにみる言語能力観)、言語能力評価(古典的テスト理論,IRT理論、テスト種別)などの問題を精緻に議論しています。
また、改訂で新たに加えられた11章「応用言語学の新しい展開」では、外国語教育の研究と実践をDiversity & Inclusionという観点から再考するとともに、応用言語学の営みを批判的に問い直す批判的応用言語学という新しい研究アプローチを紹介しています。
大学教育推進機構/国際文化学研究科/数理?データサイエンスセンター 教授 石川慎一郎