世界経済を牽引してきた日米両国では、どのように企業経営が展開してきたのか。本書は、19世紀末から21世紀初頭までのアメリカと日本の企業経営の歴史を、両者の相互に絡み合う関係に注目して叙述した、新しい試みの経営史テキストです。その特徴は、長期間にわたる日米両国の経営史を統一的な視点で通史として描くために、大企業(近代企業)の形成?発展?変容を中心におき、それと相互前提するものとして人口、市場、技術、国際関係の変化を取り上げていることです。また、各時代のトピックスの理解を進めるとともに、企業経営の歴史的な流れが容易に把握できるように叙述していることも特徴です。
本書は、大学の授業で使用されることを念頭に書かれていますが、未来のビジネス?パーソンだけではなく現に活躍されているビジネス?パーソンにも是非読んでいほしいと思っています。日々の慌ただしい変化の先にある大きな時代の流れをつかむことが、次世代のリーダーに求められています。本書が、そのような歴史観を身につけるきっかけとなればと願っています。 経営学研究科 教授 西村成弘