演劇と音楽の創作ワークショップ

演劇と音楽の創作ワークショップ

アートへの回路をひらく座学?実践12日間

自分で何かを創作したい人のために、そんな人に向けて場をつくりたい人のために、ワークショップの具体的なプロセス、課題?作品例、受講生の声を、ライブ感たっぷりにまとめた一冊。

  • 著者
  • 岡本佳子, 西尾佳織, 野口桃江 著
  • 出版年月
  • 2024年12月
  • ISBN
  • 9784130530996

これまでそれなりに演劇や音楽に親しんできたけれど、「創作」となると途端に縁遠くなっている、という人はいないでしょうか。そのような大学生に向けた芸術創作の授業を、二人のアーティスト(西尾佳織さん、野口桃江さん)を招いて東京大学で実施しました。この本はその記録です。自分で何かを創作したい人のために、そんな人に向けて場をつくりたい人のために、ワークショップの具体的なプロセス、課題?作品例、受講生の声を、ライブ感たっぷりにまとめています。読むことによって創作までのプロセスを追体験してもらえるように、実際に「何か作ってみたいな、チャレンジしてみようかな」と思っている初心者の受講者の立場に合わせて書きました。
ですが同時に、授業やワークショップを提供する著者の試行錯誤の記録でもあることから、学校?大学の教師やアーティストといったファシリテーションをする側の人にも、読んで参考になる内容がきっとあるかと思います。その場合であっても、演劇と音楽の両方に精通している人はおそらく少数でしょうから、まずはまっさらな状態で、つくる側として参加するつもりで読んでいただくのをお勧めします。ぜひこの本を手元に置いて、まずは体を動かしてみる?誰かと話してみる?耳を澄ませてみる?目を見開いてみる、といったところから始めてみましょう。(国際文化学研究科?岡本佳子)


目次

  • はじめに(岡本佳子)
  • 演劇編(西尾佳織)
    1.授業の基本方針/2.インプットとアウトプットの回路をつくる──「ももいろ」「養老孟司」「家父長制」を身体で表現する!?/3.見ることとつくること──「何が見えた?」「どう見えた?」が表現の始まり/4.「作品」はどこにあるのか/5.対談記事をつくる──他人の言葉をパッケ―ジする/6.作者になって答えよう&劇評を書こう──鳥公園『緑子の部屋』/(コラム)「休み時間 カンノケント×西尾佳織『遠い親密』」/元受講生へのインタビュー1
  • 音楽編(野口桃江)
    1.音楽編の基本方針/2.〈私〉をとりまく外側の音、内側の音に耳をひらく/3.分析する──身のまわりの音、楽器の音、あるいは聴くことそのものを/4.即興演奏に挑戦する/5.即興?記譜/6.音楽を言葉にする/7.共感覚?多感覚ワ―クショップの試み/(コラム)元受講生へのインタビュー2
  • 補論 オンライン授業編(岡本佳子)
    1.オンライン授業実施までの経緯/2.Zoomミーティングでのワークショップの準備と実施/3.オンライン授業ならではの苦労した話、楽しめた話/4.オンラインでの創作授業をふりかえって/(コラム)生きることと芸術/元受講生へのインタビュー3
  • 創作編
    1.創作プロセス/テーマを設定する(西尾)/チームビルディング、引き算のワーク、文脈のリサーチ(野口)/「発表会」の枠をつくる(岡本)/2.発表会を終えて/元受講生による座談会
  • ふりかえり編
    1.「先生」になったいちアーティストの内面(西尾)/2.創作への還元、ミームの伝播(野口)/3.コーディネート?研究?教育の関わり方(岡本)
  • おわりに
  • 付録(授業実施の記録)