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学長のメッセージ~インタビュー~

福田秀樹神戸大学長の環境への思いを聞くため、環境レポーティングWG の國部克彦座長(経営学研究科教授)がインタビューを行いました。

( 國部座長 )
本日は、神戸大学の環境活動についての、学長のお考えをいろいろお伺いしたいと思います。神戸大学では、平成18年度に環境憲章を制定しましたが、この項目に沿って、お話を伺えればと思います。

まず、環境憲章では「1.環境意識の高い人材の育成と支援」を謳っています。この点について、お考えをお聞かせください。

インタビューに答える福田学長( 福田学長 )
環境意識の高い人材育成は普遍的なものと考えています。CO2削減や震災のダメージで節電も待ったなしに実施しなければならない状況にありますが、これらの突発的な状況とは別に、日常的に絶えず地球環境を意識し、維持していく、次の世代の方を育てていくことが重要です。環境の分野は非常に幅広いもので、広い視野を持っていただくため、文理融合型の環境の授業科目として整理するなど、所属する研究科だけでなく、複数の研究科を横断して授業が受けられる支援体制も考えたいと思います。
( 國部座長 )
総合大学としての神戸大学の特長を生かすことは確かに大変重要ですね。これとも密接に関係しますが、環境憲章の2番目の「2.地球環境を維持し創造するための研究の促進」については、いかがお考えでしょうか。
インタビューをする國部座長( 福田学長 )
最近は、単独の学問分野だけで、実用化されるものはほとんどありません。環境に関する分野でも同じことが言えます。例えば、太陽光発電設備についても、フィルム、シリコン、電気化学、それらを加工する技術等、自然科学系だけでもたくさんの学問領域になります。また、それぞれの部品は日本のメーカーのものも多く、日本の技術は決して世界に比べて劣っているわけではありません。しかし、それらを融合して総合的にまとめ上げないと実用化はされない。環境というテーマはまさしくこれに当たります。神戸大学は総合大学として、その力があると感じています。ポートアイランドの統合研究拠点を設置したのはそのためです。自然科学系だけでなく、社会科学系、生命?医学系、人文?人間科学系を含めた研究融合を促進し、環境に関する個別分野だけでなく、融合した研究成果を世界に発信したいと考えています。
( 國部座長 )
神戸大学として、自然科学と人文?社会科学が協力した環境プロジェクトを大学として支援することはとても重要で、神戸大学の真価が問われると思います。

環境憲章の最後の項目では「3.率先垂範としての環境保全活動の推進」を謳っています。この点については、「環境マネジメントを推進するための基本方針」も策定していますので、この点も含めて、神戸大学の環境保全活動について、どのようにお考えでしょうか。

( 福田学長 )
環境保全の推進は、意識的な問題がやはり大きいと思います。

「3R 活動の推進」は、構成員である学生、教員、職員の意識と努力が求められます。リデュース、リユースは特に努力が必要で、ごみを出さないような工夫や、物品のリユースは一部ではすでに行っていますが、構成員の努力なしにはできないことです。リサイクルも、もちろん重要ですが、一番大事なのは、リデュースです。

また「CO2削減量 15%OFF への取り組み」については、本学は、第2期中期計画期間中(平成27年度まで)に「CO2排出量を 15% 削減する」という目標を掲げています。この取り組みについては、現状では、やっぱりエアコンの影響が大きい。電力起因のCO2排出量を削減するために、費用のかかる話ですが、古いエアコンを計画的に高効率タイプに更新していく必要があります。

消費電力の大きいこれらの設備は、補助金等で実施する耐震補強工事に合わせて機能改修工事を行うなど、後で工事費が無駄にならないような計画で更新を進めています。しかし、設備投資だけでは 15% 削減の目標は達成できません。例えば、日々の設定温度を調整する。使用時間を工夫する。大きな教室に一人ですべての照明を点けている場合がありますが、本当に必要な部分だけを点灯するなど、構成員の意識向上が最も大切です。そして、私には気付かないような新しいアイデアがあるはずです。3R 活動やCO2排出量の削減に対して、特に学生からの斬新なアイデアがほしいですね。

( 國部座長 )
そのためには、環境保全活動は PDCA サイクルが重要です。方針のひとつである「環境マネジメントサイクルの実施と継続」をどのように進めていくのかが鍵になると思います。
( 福田学長 )
3Rや省エネ活動を中心とした取り組みについては、個々の計画や啓発活動が実施され、その結果は、抜き打ちで現状視察を行う環境キャラバンやエネルギー使用量から検証していますし、学内に発表しています。総括すると、PLAN、DO、CHECK までは進んできているものの、ACTION がほとんど無いのが現状です。検証結果に対する改善策の実施や計画見直しにこれから力を入れていきます。
( 國部座長 )
ありがとうございました。最後に福田学長から本学の構成員に対して、メッセージを頂ければと思います。
( 福田学長 )
今まで、大学は環境活動や省エネ活動に取り組むよりも研究を重視する傾向がありましたが、そう言っていられない状況になりました。神戸大学として、研究費やスペースなどの保障すべきベースは用意します。しかし、環境?省エネに関しては、平等ではありません。努力した人に対してインセンティブを与え、サポートする仕組みを考えます。構成員の皆さんの努力に期待しています。

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