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環境に関する教育・研究と地域貢献

学生による環境活動

1. 灘・まる洗いプロジェクトについて

「灘・まる洗いプロジェクト」代表 山本浩平

「灘・まる洗いプロジェクト」について紹介します。

これは、学生らが中心となり、灘区内の公共施設を徹底的に「まる洗い」しようという企画です。 同プロジェクトは、これまでに九回の活動を行っています。

学内では、百年記念館と正門前階段、学外では阪急六甲駅や都賀川公園などを清掃してきました。

今回は、今年3月9日に行われた、十回目の「西郷西地下道」の清掃活動について報告します。

今回の清掃場所である西郷西地下道は、国土交通省兵庫国道事務所と「ボランティア・サポート・プログラム」 の協定を締結している大石南町まちづくり協議会が、いつも清掃に励んでいる場所です。

そこに、協定を示すパネルを設置しようということになり、同プロジェクトとともに清掃活動に取り組むことになりました。

参加者には、国土交通省兵庫国道事務所、灘区役所の他、大石南町まちづくり協議会をはじめとする、 大人から子どもまで幅広い年齢層の地元住民らが参加するとともに、実行委員の協力要請によって沢の鶴などの企業も参加し、 学生を中心に、住民や企業、行政という面々が集まりました。

環境面への配慮から、合成洗剤は一切使用しません。頑固な汚れ落としに活躍しているのが、 環境美化団体「クリーンタウン神戸」が提供する「ねっとう君」、水を高温化・高圧化することで頑固な汚れをすぐに洗い落とせる洗浄機で、 小さな子どもが安全に、かつ楽しんで清掃にチャレンジできますが、中心はやはり、参加者一人一人が手に道具を持って一生懸命に拭き、 こすることが活動のモットーです。

他にも、「お楽しみ企画」として、ゴミ箱のハンドペイントや、樹名板づくりなどのイベントを組み、 参加者が喜んでもらえるような工夫もされています。

こうして、大人も子どもも掃除を楽しむ。楽しみながら、たくさんの人に公共施設について、 美化活動について、自分たちが住むまちについて考えてもらう機会を提供します。

参加した企業や市民団体の人々の声として、「学生の見方が変わった。彼らの熱意が伝わってきた」など、 賞賛の声が多かった。

大学生の参加は、地域に活力を与えることができます。さらに、この活動では、地域や学生の交流を深め、 環境保全への意識啓発もされており、この活動には高校生らも参加しています。実際、若者を動かすには、 大人より同年代の大学生のほうが効果は大きいと考えています。

なお、この様子は、神戸市市民参画推進局広報課による「KOBEムービーチャンネル」でも取り上げられ、 放映されました。行政の、大学生への期待を示すものだと考えられますし、さらには行政だけでなく、 社会が大学生に大きく期待しているのだと考えられます。

灘区は、多くの学生が住んでいながら、これまでは地元住民と交流する機会が多くありませんでした。 地域活動支援コーディネーターの呼びかけで、「何か地域とともにできないだろうか」と、スタートしたのがこの企画です。 実行委員には、神戸大学の学生が多く参加しています。

大学生の力は大きいと思います。地位や経験はありませんが、 それでもこの活動のようにしがらみにとらわれずいろいろなことにチャレンジでき、かつ強い影響力を持っています。本学の学生も、 もっとよりよい社会作りに向けてはたらきかける活動に手を伸ばしてみてもよいのではないしょうか。

灘・まる洗いプロジェクト

灘・まる洗いプロジェクト