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トピックス

神戸大学東北ボランティアバスと紀伊半島豪雨水害の取り組み

キャリアセンターボランティア支援部門
学術推進研究員 コーディネーター 藤室 玲治

東北ボランティアバスの取り組み

2011年3月11日に発生した東日本大震災に際しては、直後から「自分に何かできることはないか」という学生からの問い合わせが支援室に数多く寄せられました。とはいえ、3月中は、福島の原発事故のリスクが捉え難く、なかなか神戸大学として被災地に学生を派遣できなかったのが苦しいところでした。

その後、ゴールデンウィークになって最初のボランティアバスを岩手県沿岸部に派遣することができ、2012年3月末までに7回、延べ195名の学生を被災地に派遣しています。

ボランティアバスでは、瓦礫撤去や家屋整理、海産物倉庫から散らばったサンマの回収をはじめさまざまな作業を行っていますが、もっとも重視しているのが学生と被災者とのコミュニケーションです。そのきっかけとして「足湯ボランティア」を実施しています。たらいに張ったお湯に10分ほど足をつけてもらい、その間、相手に向き合って手を軽くマッサージします。被災者の方からは「体があたたまってホッとする」「夜、よく眠れるようになった」と好評です。

この足湯は、ボランティアと被災者がコミュニケーションをスムーズに取るきっかけになります。手をもみながら10分ほど向き合っていると、被災した方は自分のことを語り出します。「死体を見てもね、自分の知り合いかどうかは分かんないんだよ。変わり果てていて」「仮設住宅にいても何もやることないしね。ずっといたら気がめいる」「泣いてばっかりでもだめだね。笑って生きていかなくちゃ」。

こうした「つぶやき」を聞くことによって、被災した方々の気持ちに寄り添い共感することができます。また津波の様子や、現在の被災者のニーズなどを学べます。

紀伊半島豪雨水害被災地での活動

2011年9月に起きた紀伊半島豪雨の被災地である那智勝浦町にも、神戸大学生による「KOBE足湯隊」が何度も赴き活動を行いました。朝から夕方までは泥かきや瓦礫撤去を行い、その後に夕方から避難所で足湯ボランティア活動を行いました。

こうした活動を通じて、和歌山県那智勝浦町の方々とご縁ができたことから、2012年の3月13日~15日に神戸大学ボランティア講座の一環として「那智勝浦の農業?漁業と津波?水害の被害」と題した2泊3日のフィールドワークを行いました。那智勝浦町役場や勝浦漁協、水害で甚大な被害があった色川地区や市野々地区の皆さんの協力を得て、水害被害の実際と復興の課題のみならず、地域のさまざまな取り組みを学びました。

  • 2011年8月_陸前高田市
    2011年8月陸前高田市
  • 2011年11月_釜石市
    2011年11月釜石市
  • 2012年3月和歌山
    2012年3月和歌山

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