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環境に関する教育研究

大学建物におけるエネルギー消費量の測定方法と
分析に関する研究

工学研究科 准教授 竹林 英樹
技術職員 石井 悦子

大学建物において効果的に省エネルギーを図るには、部屋の用途や時期により変化するエネルギー消費特性を把握する必要がある。工学研究科のエネルギー消費量の内訳は、電力消費量が約75%、ガスヒートポンプ ( GHP ) によるガス消費量が約25%を占めている。本研究の目的は、電力消費量データを統計的に分類し、時刻変動の特徴を明らかにすることと、GHP 空調のエネルギー消費量を詳細に把握する簡易な測定方法を検討することである。

電力消費量を日ごとに24次元の多変量データとみなして主成分分析を行い、得られた主成分得点を用いてクラスター分析を行った。一例として製図室の結果を図1に示す。年間の半分以上の日が休日や長期休みなどの影響で一日を通して消費量の少ない A グループに分類された。卒業設計期間が一日を通して消費量の大きい D グループに分類された。

GHP 空調機でのガス消費量を室外機ごとに短い時間間隔で把握するため、表1に示す測定方法を検討した。測定方法の改善や複数の測定データを組み合わせる等の検討が必要であると考察された。電力消費量と空調によるガス消費量の関係を検討し ( 図2 ) 、電力消費量データから GHP 空調の稼働状況を推定できる可能性が示唆された。

今後も引き続き、電力、ガス消費量の消費実態を詳細に把握し、適切な省エネルギー方策の検討やエネルギー源の組み合わせの検討を進めたいと考えている.

  • 図1 クラスター分析結果の各グループの年間日数と時刻別電力消費量 ( 製図室 )
    図1 クラスター分析結果の各グループの年間日数と
    時刻別電力消費量 ( 製図室 )
  •   測定間隔 消費量 測定単位
    運転時間調査 1月 × 室外機
    吹き出し口温度の測定 1分 熱交換量 室外機
    循環ポンプの電流測定 1分 × 室外機
    ガスメーターの測定 30分 ガス量 建物
    表1 検討した測定方法とその特徴
  • 図2 電力消費量と空調用ガス消費量の関係
    図2 電力消費量と空調用ガス消費量の関係

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