アジア地域を含む低炭素化サプライチェーンの構築と制度化に関する研究
環境省環境研究総合推進費として、2012年度から3年計画で、「アジア地域を含む低炭素型サプライチェーンの構築と制度化に関する研究」を行っています。これは、筆者を研究代表者として、神戸大学、東京都市大学?電気通信大学、関西大学の協力によって行う、文理融合型の研究プロジェクトです。本研究は、「アジア諸国のインベントリデータベースと環境負荷測定手法の開発」(サブテーマ1:東京都市大学?電気通信大学)、「低炭素型サプライチェーン評価システムの開発」(サブテーマ2:関西大学)、「低炭素型サプライチェーンの制度化とアジア地域を含めた普及方策の研究」(サブテーマ3:神戸大学)の3つのテーマに分かれて研究を進めています。
本研究の目的は、企業だけでなく、サプライチェーンでのCO2排出量を把握して、それを削減する手法の開発とその制度化にあります。これは一企業だけでCO2の排出を抑制しても、サプライチェーン全体で削減しなければ意味がないからです。本当は、全サプライチェーンを対象とした技術開発が必要とされますが、本研究プロジェクトでは、まずアジアを中心にして、CO2排出係数の測定、サプライチェーン管理の現状分析、マテリアルフローコスト会計のような低炭素化を実現する環境管理会計手法の開発について、研究を進めています。
これまでのところアジア10ヵ国での温室効果ガスデータベースの開発、低炭素化を目指したマテリアルフローコスト会計の開発、低炭素型サプライチェーン管理に関する日中の現状調査などを進めています。中間評価の結果も非常によく、今後の展開が期待されているようです。
これまでの研究活動や成果については、下記のホームページからみることができます。
http://www.b.kobe-u.ac.jp/~kokubu/root1.html
本研究では中国との関係が非常に重要で、昨年は、北京理工大学(珠海学院)や南京理工大学を訪問し、記念講義や講演会を実施するとともに、企業調査などを行って、研究を深めました。
南京理工大学での講演会
北京理工大学(珠海学院)での記念講義