私たちが住んでいる都市は、衣食住、教育、仕事、余暇、医療等、さまざまな機能を有しています。私たちが豊かな生活を送れているのは、都市という基盤があるからと言っても過言ではないでしょう。一方、別の視点でみると、都市を構成する建物やインフラ(道路、線路)、私達の身の回りにある家電や衣類等は、元々は資源です。都市や私たちの生活の維持には、膨大な資源やエネルギーが必要です。これが結果として、エネルギー?資源の枯渇問題や地球温暖化等の環境問題を引き起こしています。環境問題の解決は私たちに課せられた課題ですが、環境問題の解決を優先するあまり、経済活動が停滞したり、暮らしの満足度が低下することは避けなければいけません。環境面だけでなく、経済面や社会面も満足できる都市のあり方を検討していく必要があります。
本研究室は、資源やエネルギーの消費量を抑制できる、環境的?経済的?社会的に持続可能な都市のあり方を提案することを目的として研究を行っています。これを実施するため、都市を維持していくために必要な資源?エネルギー量を調べるとともに、人口、高齢化率、都市構造等の社会データや経済データを組み合わせることで、都市におけるエネルギー消費や環境負荷の発生メカニズムを明らかにしています。また、資源?環境問題を解決できる都市の構築方法を、環境評価やシミュレーションなどの工学的手法や、アンケートや統計処理などの社会科学的手法を組み合わせて検討しています。具体的な研究テーマは以下のようなものがあります。研究室ホームページに詳しい情報が掲載されていますので、ぜひ御覧ください(http://www2.kobe-u.ac.jp/~ttabata/)。(公社)環境科学会発行の「日本の環境研究室2018」にも、当研究室のことが掲載されています(148~149ページ、http://www.ses.or.jp/enkaku/kankyo2018/)。
①消費者行動:年齢層、ライフスタイル等の違い、(特に)高齢者層や貧困層の増加がごみ分別やエネルギー消費等に及ぼす影響を調査しています。
②再生可能エネルギー:太陽光、風力、バイオマス等を地域に導入することの効果を、地球温暖化対策、経済効果、雇用創出効果の観点から分析しています。
③ごみ処理システム:人口やごみ排出量の将来変化を考慮しながら、環境負荷やコスト削減に効果的なごみ処理方法や分別方法を分析しています。また、災害廃棄物の処理方法も検討しています。
【年齢別でみたごみ分別実施の傾向】
【淡路島における再生可能エネルギーの生産可能量】
【災害廃棄物(がれき)発生量の推計】
- ※ 防潮施設が機能した場合
- ※ 防潮施設が機能しなかった場合