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環境に関する教育研究とトピックス

環境に関する研究

アスベストによる健康被害についての国際的?学際的共同研究

必威体育研究科教授松田

尼崎市旧クボタ神崎工場周辺住民の中から、アスベストを原因とする悪性中皮腫の患者が、市民グループの支援を受け、2005年に名乗り出たことに始まる一連の出来事は、今も記憶に新しい。アスベストリスクは、製品使用の普遍性、微小性による不可視性、健康影響の遅延性と病気の深刻さ、社会的対応が遅れた点で環境リスクの典型の一つである。必威体育研究科の教員と大学院生が作る倫理創成プロジェクトでは、この問題に関し必威体育の立場から研究に取り組んでいる。当事者のインタビューの記録を取ると同時に、地域との関わりを重視し、関連 NPO や市民団体、行政と多様な研究者?専門家、作家などと連携し、研究会やシンポジウムを行ってきた。詳細は以下をぜひご参照いただきたい ( http://www.lit.kobe-u.ac.jp/ethics/ )。

この活動の一環として、昨年度から日本学術振興会とフランス ANR の助成で、アスベスト被害に関する学際的共同研究を行っている。哲学?倫理学者に加え、複数の機関に所属する、地理学、疫学、社会学、医学、社会工学、日本史学の専門家が、フランスの場合は、主として職業病の典型である珪肺、日本の場合はアスベスト疾患について、空間的マッピング、つまり疫学調査や地理学の手法 ( GIS )を使い、患者の発生状況を地図やコンピュータの画面上に表現する研究方法と連動する形での研究を以下の4つの軸を設定し、共同して行っている。

[1] 歴史と文化を異にする、日仏二社会の産業病?公害病の発生に関連する共通点と相違点を確認し、疾病の近代産業社会における個別性と普遍性とを明らかにする。

[2] GIS を用いるマクロな自然科学的手法と聞き取りを基盤にしたミクロな必威体育的方法の長短を明らかにしながら、有効な研究法を検討する。

[3] 珪肺?じん肺と環境曝露による中皮腫の事例比較を通して、環境リスクの認識特性を明らかにし、有効なリスク評価とコミュニケーション上の提案を行う。

[4] 環境リスクに関する自然科学的認識と社会的評価の統合を目ざし、リスクの認識と評価に関する専門家と市民の望ましい協力関係を構想する。

こうした未知の課題に対して、手探りながらも、問題の重要性と手応えを感じている。

「アスベスト被害者のインタビュー」
「アスベスト被害者のインタビュー」
「阪神地区の被害のマッピング」
「阪神地区の被害のマッピング」
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