環境に関する教育研究とトピックス [環境に関する教育]

CSR論で環境貢献を学ぶ

経営学部ではCSR論を開講しています。CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略称で企業の社会的責任と訳されています。現在の地球上には、環境問題から人口問題や人権、格差など持続可能な社会を形成するための課題が多くあります。このような課題は、企業活動に起因することもあるため、国などの施策だけで解決するのは難しく、企業の活動を通して積極的な課題解決に関わることが求められています。EUはCSRを “企業の社会への影響に対する責任”と定義して、企業に社会的責任を果たす行動を求めています。

企業の活動目的は利益を上げる事と言われますが、利益は事業を継続するための手段であり、持続可能な社会があってこそ、企業も存続できるのです。このため企業には、法令遵守だけでなく、無秩序な開発や環境破壊、人権を無視した労働など、社会的に容認されない事業活動を慎み、地球が持続可能となる活動が求められます。また企業の活動は、消費者の理解と支援がなければ継続することができません。つまり持続可能な社会を形成するには、企業と消費者の両方の協力が必要ということです。特に、環境は重要課題となります。

授業は、重要な環境課題について、企業と消費者の両方の視点で学び考える構成としました。受講生は、現在は消費者の立場として、将来は企業人となることを考えて、いまなにができるか、将来なにをしなければならないのかを考えます。企業の環境取組みの現状を伝えるために、加藤孝一氏(カルビーの子会社?カルネコ株式会社 代表取締役社長)をゲストティーチャーに招き、「消費者の環境貢献意識がつくる新市場へのアプローチ~もっと身近に!普段のお買い物を通して環境貢献~」をテーマに講義いただきました。

授業では、現在の環境に関する認識を共有化した後、森を守ることでの環境貢献を例にして、CO2の削減のために森を守る取り組み、その具体例として、商品活性化と森林支援のマッチング等を取り上げました。また、大手企業だけでなく、地域での中小事業者の事例や、地方行政の事例まで紹介がありました。環境に貢献できる消費生活の講義となりました。

本授業では、受講生の意見や質問を記入できるように出席票に空きスペースがあります。今回の意見としては、「環境への取り組みの重要性を認識した」「消費者として、また将来の企業人として環境に取り組む意識を持つことにつながった」という意見が多く見られました。現場で活動する人の声を多く紹介したことで、受講生も環境問題が自分ごととして理解が進んだことを出席票で確認できたのが、授業の成果だと感じました。企業と消費者の力で環境問題の改善を進めることを目指した授業です。

カルネコ「CO2排出ゼロ宣言」 http://info.calneco.jp/co2_zero/
  • 授業パワーポイント「CO2排出の現状を知る」
  • ゲストティーチャー:加藤孝一氏(カルネコ株式会社 代表取締役)